光のなぞ 光や色のたのしい知識がいっぱい!

色と光

色のイメージ

お国柄と色柄

人の色の好みはそれこそさまざまですが、世界の文化を調べていくと、地域や民族その他さまざまなちがいによって好まれる色の取り合わせにちがいがあるようです。
例えば、南アメリカなどラテン系の人々の間では、赤や黄色、緑のような原色同士の組み合わせに人気があります。
日本では昔から、灰色や薄紫(うすむらさき)、薄(うす)ピンクのような、中間的な色の取り合わせが好まれることが多いようです。これら色の好みは、その地域の気候や植物の色など、環境(かんきょう)の影響(えいきょう)があるのかも知れません。

たとえば湿度(しつど)や高さ、時間によって光の色は全くちがってきます。
さらには周りの景色の色、緑が多いか、青が多いか、茶色が多いか、などによって、そこに住んでいる人たちが好む色はちがってくることになります。

日本の絵画と、海外の様々な国の絵画のちがいや、洋服の好みのちがいをこうした面から楽しむのも、楽しいですね。

お国柄と色柄

南米のペルーの人の服の色と、日本の服の色はまったくちがいますね。

色相環と色のカテゴリー

この間の光を並べた帯をスペクトルといいますが、いま、このスペクトルをぐるりと輪にして、そのはしとはし、つまり赤と紫(むらさき)をくっつけたものを想像してみましょう。赤を真上にして、いろいろな色がバランス良く並ぶように工夫すると、図のような色の輪ができあがります。これが色相環(しきそうかん)とよばれるものです。

色相環(しきそうかん)には、とてもふしぎな性質があります。例えば正三角形の頂点にある色を見ると、RGB…つまり光の三原色になっています。また、逆さまの正三角形の頂点を見ると、CMY…つまりインクの三原色になっているのです。また、隣り合った3つの色の並びを見ると、両側の色を混ぜてできる色がまん中に並びます。

そして色相環(しきそうかん)では、ある色の近くにある色は「よく似た色」ということで類似色と呼び、ある色とその反対側にある色は「性質が最も大きくちがう色」ということで、反対色または補色(ほしょく)と呼びます。さらに、輪の上側には赤を中心とした「暖かく感じる色」つまり暖色が並び、下半分には青を中心とした「寒く感じる色」つまり寒色が並んでいます。

このような色の持つ性質を色相と呼び、色相環(しきそうかん)は色相によって色を並べたパレットなのです。

色相環(しきそうかん)の中にはRGB(光の三原色)とCMY(色の三原色)がはいちされています。

色相環(しきそうかん)の中にはRGB(光の三原色)とCMY(色の三原色)がはいちされています。
また、類似色や補色、暖色や寒色なども並んでいます。
ふしぎですよね。

色とデザイン

色やその組み合わせ方で受ける印象が大きく異なることは、身のまわりのさまざまなところで経験します。例えば、暖色はやや浮き出して見え、寒色はややくぼんで見えますが、これを利用すると、同じ色の組み合わせでも異なる印象が発生します。

さらに、似た色同士…つまり同系色を組み合わせると、落ち着いた色合いを作ることができますし、反対色の組み合わせでは、活動的な(場合によっては不安定な)イメージが発生します。プロのデザイナーがつくる印刷物やポスターなどでは、この現象を利用して他人に何をアピールするかによって使用する色や色の組み合わせが考えられています。
よく注意して、印刷物を見るのも面白いかもしれませんね。

色の組み合わせ例

色を組み合わせて、いろいろな感じが表現できます。

この記事のPDF・プリント

ほかの光のなぞ

日本の色いろいろ