光のなぞ 光や色のたのしい知識がいっぱい!

レンズと反射鏡

レンズを使った道具

代表的な光学機器

レンズや反射鏡などを使って画像を撮影(さつえい)したり、ものを拡大・縮小して観察する機械のことを、光学機器と呼びます。

カメラ

レンズを使って、フィルムやCCDセンサ、CMOSセンサといった受光素子の上に像を作り、撮影(さつえい)する機械です。静止画をとるスチルカメラ(フィルムカメラやデジタルカメラ)、動画をとるムービーカメラやビデオカメラをはじめ、さまざまなものがあります。

デジタルカメラ

デジタルカメラ

望遠鏡

筒(つつ)の先に焦点距離(しょうてんきょり)の長いとつレンズ(対物レンズといいます)、目元に焦点距離(しょうてんきょり)の短いレンズ(接眼レンズ)を組み合わせ、遠くのものを拡大して観察するしくみが望遠鏡です。対物、接眼の両レンズは、ふつう、数枚のレンズを組み合わせて用いられます。なお、対物レンズのかわりに、同じはたらきをするおう面鏡を用いたものもあります。

双眼鏡(そうがんきょう)

低倍率の望遠鏡を2つ組み合わせ、両目でのぞくようにしたものです。ふつう、見える像の上下左右が正しい向きになるように、プリズムなどで調節しています。

望遠鏡

望遠鏡(天体望遠鏡)

顕微鏡(けんびきょう)

焦点距離(しょうてんきょり)の短いレンズ(対物レンズ)を使って、ごく近くにあるものを拡大して観察するしくみです。接眼レンズは、望遠鏡のそれとよく似たしくみになっています。なお、顕微鏡(けんびきょう)の仲間にも双眼鏡(そうがんきょう)のように、両目でのぞく双眼実体顕微鏡(そうがんじったいけんびきょう)という種類があります。

顕微鏡(けんびきょう)

顕微鏡(けんびきょう)

レンズが科学の最先端(さいせんたん)をひらいた…ミクロとマクロ

世界で初めて、レンズを組み合わせて顕微鏡(けんびきょう)をつくったのは、オランダのヤンセンというめがね屋さんでした。1590年ごろのことだったとされています。その後の17世紀半ばすぎ、イギリスのロバート・フックという人が、顕微鏡(けんびきょう)で植物の細胞をはじめさまざまな生体組織を発見。後の医学の発展に大きな影響(えいきょう)をあたえました。また、同じころ、レンズ1枚のシンプルな顕微鏡(けんびきょう)ながら、オランダのレーヴェン・フクは人間の精子(せいし)などを発見し、顕微鏡(けんびきょう)の意義を世界に知らせました。以後、顕微鏡(けんびきょう)は医学や生物学にはなくてはならない道具として改良され、さまざまな発見を成しとげています。

一方、17世紀初めに望遠鏡を発明したのも、オランダのめがね職人だったといわれています。しかし、これを伝え聞いたイタリアの科学者 ガリレオ・ガリレイは、発明後数ヶ月にして直径4センチメートルほどの望遠鏡を自分でつくり、月や太陽、木星や土星、天の川などを観察します。その結果、木星の衛星や太陽黒点の存在、宇宙に星が無数にあることなどを発見。そしてコペルニクスの提唱した地動説が正しいことを世にうったえたことは有名です。

その後、ニュートンをはじめたくさんの科学者が望遠鏡の改良に取り組んできました。現在では宇宙の果ての観察に挑戦(ちょうせん)できるすばる望遠鏡や、画期的な解像力を持つハッブル宇宙望遠鏡などが、宇宙の神秘にいどみ続けています。

初期の顕微鏡(けんびきょう)とフックのスケッチ

初期の顕微鏡(けんびきょう)とフックのスケッチ

ガリレオの望遠鏡(レプリカ)

ガリレオの望遠鏡(レプリカ)

望遠鏡のしくみ

望遠鏡には、レンズだけを組み合わせたくっ折望遠鏡と、反射鏡(おう面鏡)を使用する反射望遠鏡の2つの種類があります。さらにくっ折望遠鏡は、対物レンズにとつレンズを、接眼レンズにおうレンズを用いたガリレイ式と、対物・接眼ともにとつレンズを用いるケプラー式(ケプレル式とも呼ばれます)の、2つのタイプに分かれます。それぞれの特ちょうを表にまとめてみました。

これらの望遠鏡の中で、もっとも一般(いっぱん)的なのがケプラー式のくっ折望遠鏡です。ふつうは高い倍率を得るため、対物レンズに焦点距離(しょうてんきょり)の長いとつレンズを、接眼レンズにはちょうどルーペのようなはたらきをする、焦点距離(しょうてんきょり)の短いレンズを組み合わせます(対物レンズ、接眼レンズともに、色収差やそのほかの収差を減らすため、複数のレンズを組み合わせて用いるのがふつうです)。
このとき、望遠鏡の倍率は・・・
 「対物レンズの焦点距離(しょうてんきょり)」÷「接眼レンズの焦点距離(しょうてんきょり)」
・・・になります。つまり、対物レンズの焦点距離(しょうてんきょり)が長いほど、また、接眼レンズの焦点距離(しょうてんきょり)が短いほど、望遠鏡の倍率は高くなるのです。
なお、ケプラー式はそのままでは上下左右が逆さまに見えるので、地上を見るために使用する場合(フィールド・スコープなど)には、プリズムを利用して上下左右が正しく見えるしくみ(正立プリズムといいます)を組み込んであります。

望遠鏡の種類と特ちょう

望遠鏡の種類と特ちょう

ガリレイ式とケプラー式望遠鏡

ガリレイ式とケプラー式望遠鏡

この記事のPDF・プリント

ほかの光のなぞ

日本の色いろいろ