光のなぞ 光や色のたのしい知識がいっぱい!

色と光

虹はどこででも見える!たのしめる!

空にできた「虹(にじ)」を見たことがありますか?
朝や夕方の雨上がりで、急に太陽の光が出たときなどに見えますが、チャンスはそれほど多くはありません。
でも、身近なところにできる虹もたくさんあります。
どうして虹はできるのか、どうすれば身近なところで見られるのか、また写真をとるコツをしょうかいします。

虹
電球でできた虹

そもそも虹はなぜできる?

空にできる虹のもとになる光は、太陽の光です。雨がふったすぐ後などは、とても小さな水のつぶが空気中をただよっています。そのつぶに太陽の光があたってはね返り、私たちにとどくことで虹が見えます。
虹は太陽と反対側の方向に、太陽の光が進んでくる道筋から40度ぐらいの角度の場所で見えます。太陽が高いところにある昼間だと、地面にいる人が見るのはむずかしいことが多く、太陽が低いところにある朝や夕方のほうがよく見えます。

虹は太陽の光と約40度の場所に見えます。

虹は太陽の光と約40度の場所に見えます。

虹はなぜ、色がついて見える?

空に虹ができているとき、空中にうかんでいる水のつぶは、球の形(=ボールの形)をしています。ここに光があたると、折れ曲がったり(=くっせつするといいます)、はね返ったり(=反しゃするといいます)しながら、全体でははね返るようにすすみます。
光はくっせつするとき、色によって少しずつ曲がる角度がちがいます。このため色がないように感じられる太陽の光に入っているさまざまな色が、ばらばらに分かれます。たくさんの水のつぶで方向がかわったそれぞれの色の光が集まって重なりあって目にとどき、あざやかな虹として見えるようになるのです。

太陽の光が水てきにあたるとさまざまな色の光に分かれていきます

太陽の光が水てきにあたるとさまざまな色の光に分かれていきます

虹にはさまざまな色がまざっています

虹にはさまざまな色が入っています

虹は自分でかんたんに作れる

空にできる虹はぐうぜん出あうことがほとんどですが、実は身のまわりにある道具でも虹ができます。
少しくふうをすれば、写真にとることもできるので、ぜひ虹のふしぎを楽しんでみましょう!

きりふきやスプレーで虹ができる!

きりふきでできた虹

きりふきでできた虹

消どく液(えき)を手につけたり、何かをしめらせるときに使う「きりふき(=スプレーともいいます)」は、水などの液体をきりにしてふき出す道具です。きりは細かい水のつぶなので、空の虹とおなじしくみで虹をつくることができます。
方法はかんたんです。日光があたる場所で、木かげなどの暗い日かげが見える場所をさがします。そして、太陽がせなか側になるように立って、日かげに向かって空中にきりふきで水をふきだしてみると虹ができます。

きりふきでできる虹のつくりかた

きりふきでできる虹のつくりかた
太陽を背に、暗い日かげにむかって水をスプレー

きれいに写真をとるコツ

写真にとるポイントは明るくなりすぎないようにすることです。日かげの方を向いて写真をとると、カメラが自動的にはたらいて、明るすぎる写真になって虹が見えずらくなりがちです。スマホでとるときは明るさを暗めに調節して、デジタルカメラでは入ってくる光の量をコントロールする「ろ出(しゅつ)ほ正」を少しマイナス(-1から-2ぐらい)にしてさつえいすると色がよく見える写真になります。

CDやDVDはあざやかな虹ができる

CDやDVDはあざやかな虹ができる

いらなくなったCDやDVDを光がきらきらと反しゃする面が自分にむくように立てておきます。かい中電灯を用意して、1mぐらいはなれたところから、光をCDやDVDのまん中に向けててらし、かい中電灯の真後ろから見ると円の形でこい虹が見えます。CDやDVDにあてた光はとても強く反しゃするので、目で見るときはかい中電灯にうすい紙をかぶせるなどして光を弱めて見るようにしましょう。

CDやDVDであざやかな虹がつくれます

CDやDVDであざやかな虹がつくれます

CDやDVDを動かないようにして、正面から光をあてます

CDやDVDを動かないようにして、正面から光をあてます

これは、光が波の性質(せいしつ=もともともっている特ちょう)をもっているためにおこります。波はせまいすき間を通りぬけるとき、すき間をつくっているもののふちで折れ曲がる「回折(かいせつ)」をおこします。この「回折」によって光がさまざまな色に分かれます。CDやDVDなどの表面は、とても細かい穴がすじのようになってたくさんならんでいます。CDやDVDにあてた光ははね返るとき、このすじがすき間をつくるはたらきをして光をさえぎり、すじのふちで回折がおきて、光がさまざま色に分かれ、虹が生まれます。CDやDVDなどではみぞは円になっているため、できる虹も円に見えます。

「回折」は光が波のせいしつをもっていることからおこります。波はさえぎるものがあると、そのへりで曲がって進みます

きれいに写真をとるコツ

カメラをCDやDVDの真正面で動かないようにするときれいな写真がとれます。明るくなりすぎないように、かい中電灯にかぶせる紙をすこしあつめにしたり、スマホでは「明るさ」を暗めに、カメラでは「ろ出」をマイナスに調節します。また、ぼけた写真になりやすいので、ズームさつえいきのうを使ってCDやDVDを大きくし、ピントが合っているかたしかめながら写真にしていきましょう。

水を入れたコップにかい中電灯をあてると小さな虹が見える

コップに入った水でできた虹

コップに入った水でできた虹

空の虹では水のつぶに光が出入りしたとき、さまざまな色の光に分かれます。とう明のコップにいれた水に光を出入りさせると、光のすすみ方によっては同じように光が虹のような色の光に分かれます。

太陽の光にかわる光のもととして、かい中電灯を使います。光をできるだけ細くしてあてないと虹はかさなって見にくくなります。このため、はば1mmくらいのすき間をつくった紙などをかい中電灯の先にかぶせます。水を入れたコップの水面にななめに光を当てると、色の光に分かれてななめ下に小さな虹ができます。まわりが明るいと虹の色がうすく見えるので、部屋全体を暗くするとよく見えます。

コップでできる虹のつくりかた

コップでできる虹のつくりかた
コップいっぱいに水を入れ、できるだけ低いところから、かい中電灯の光をコップと水面のぎりぎりの場所にあてます。光を入れる角度や水面にあてる場所を少しずつ調節していくと、ななめ下に虹ができます

また、写真のように、丸いつつの形をしたコップの横ぎりぎりから、かい中電灯の光を入れると、光を入れた方向とは反対側のかべに虹がうつります。

コップでできる虹
かべにうつった虹

きれいに写真をとるコツ

この虹もふつうに写真をとるとカメラが自動的にはたらいて、明るくなりすぎて色が見えにくくなります。スマホでとるときは明るさを暗めに、デジタルカメラでは「ろ出」をマイナスにしてさつえいすると色がよく見える写真になります。

ガラス板でできる虹

ガラスにアルコールをのせてできた虹

ガラスにアルコールをのせてできた虹(写真1)

2枚のガラス板を合わせてできた虹

2枚のガラス板を合わせてできた虹(写真2)

写真をかざるフォトフレームのガラスや、けんび鏡で使うスライドガラスなど、手で持てるサイズのガラス板で虹がつくれます。消どく用アルコールを指先につけてガラス表面をなぞったり(写真1)、ガラス2枚をぴったりと重ね合わせて(写真2)、スタンド型のライトなどをあてると虹もようがあらわれます。よく見えるようにするには、トレーシングペーパーなどの半とう明の紙や半とう明ビニールぶくろなどを使って、ライトの光を「ぼやっ」とさせてあてることがコツです。

ガラス板でできる虹の見かた

ガラス板でできる虹の見かた
机の上などに黒っぽい板や紙をおき、ガラス板を光にあてて上から見る

どちらも、しくみはシャボン玉の表面に虹ができるのと同じです。アルコールのうすいまくの表側とうら側、重ね合わせたガラスではくっつきあっている2つの面で、それぞれ光がはね返り、目にとどきます。このはね返る2つの光がうまく合わさると色は強められ、打ち消しあうと色が弱まります(これを「光の干(かん)しょう」といいます)。まくの厚さによって光の合わさり方はかわり、さまざまな色が見えたり、見えなかったりするのです。

シャボン玉の表面の虹のできかたと同じように、まくの表側とうら側で光が反しゃして重なり合うためにいろいろな色が見えるようになります

きれいに写真をとるコツ

この方法でできる虹はかなりうすいので、あてる光を明るく、虹の後ろ側を暗くすると観察しやすくなります。写真にとるときは、ピントをしっかり合わせることと、カメラを動かさないようにしてとることに気をつけましょう。

虹シートでつくる8つの虹

電球でできた虹

電球でできた虹

円の形のけい光灯でできた虹

円の形のけい光灯でできた虹

虹シートや分光シートなどとよばれるうすいプラスチックシートがあります。
シートにはたてよこ、右ななめ、左ななめの向きにとても細かいすじがならんでいます。このシートを光のある方向にかざすと1つの光のまわりに合計で8つの虹が見えます。すじで回せつがおきるためですが、遠くにある電灯など、できるだけ点のように小さく見える光にむけるととてもはっきりした虹を見ることができます。

虹シート

虹シート

虹シートや分光シートは「ホログラムシート」や「レインボーシート」ともよばれ、教材ショップや通販サイト、ホームセンターなどで手に入りますが、さまざまな種るいがあります。
はがきのサイズでだいたい数100円ですので、それより高いものは、この虹をつくるための虹シートではありません。「虹シート」「虹が見える」「レインボー万華鏡(まんげきょう)」「ホログラムシート」などの言葉が説明にいくつか入っているものを選ぶと良いでしょう。

きれいに写真をとるコツ

写真にとるときはカメラやスマホのさつえいレンズのすぐ前に虹シートがくるようにします。スマホでとるときは、虹シートがレンズにかぶさるようにテープなどでかるくとめてもオーケーです。虹の色を強めにするときは明るさの調節で、明るさを少し下げ、はなやかな感じにしたいときは少し明るさを上げます。また、小さな点の明るい電灯などにかざすとあざやかな色を写真にとることができます。

楽しむ実験いろいろ

虹はどこにでもあらわれ、そして楽しめる光のマジックです。また、ふだん、色を感じない太陽の光がいろいろな色の集まりであることがよくわかるしょうこでもあります。
キヤノンサイエンスラボ・キッズには、虹を楽しむじっけんのコンテンツがほかにもいろいろあるので、時間のあるとき、ちょっとやってみると光のふしぎがもっとわかるかもしれませんね。

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