日本では藍染(あいぞめ)に「タデアイ」という草が使われてきました。ことわざの「蓼(たで)食う虫も好き好き」(からいタデを好んで食べる虫もいるように人の好みもさまざま、という意味)に出てくるタデ科の草の一種が、タデアイです。タデアイはじょうぶな草でよく育ち、春に種をまくと夏に1メートルほどになります。青々(あおあお)とした葉をかり取り、刻み、かめ(甕:大きなとう器)に水や灰などといっしょに入れて発こうさせ、染液にします。いまも各地に残る『紺屋(こうや)』では、この方法で一年中藍色(あいいろ)を染めています。また、夏限定でタデアイの生葉で染液を作ることもできます。『生葉染め』では夏らしい涼しげなうすい藍色(あいいろ)が出せます。