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色と光

色ってなに?

「色」と「光」

真っ赤なチューリップ、青い空、緑の木の葉。私たちの周りには、色があふれています。そもそも「色」とはどのようなものでしょうか?

太陽や電球などは、それ自体が光を放っています。ですから、太陽や電球の「色」は「光の色」だと言えます。光の色は、「光の三原色」と呼ばれる、赤、緑、青の組み合わせで作ることができます。

では、光でないものの色はどうして見えるでしょうか。実はものが光を反射した色が見えているのです。真っ暗な部屋では色が見えないどころか、ものの形も分かりません。これは、物体が光を全く反射していないからです。外に出て、月明かりなどの弱い光がある場所では、ものの形は分かりますが、これは光が十分に反射できないため、色までは見分けられません。

光を十分に受けると、物体の色が見えます。この色は、その物体が反射している光の色です。たとえば緑の木の葉は、太陽や電球の光を受けると、その光のうち緑色の光だけを反射します。それ以外の色の光は物体が吸収してしまうのです。こうした反射光が私たちの目に届いて、「色」として見えています。

緑色の葉は、緑色の光だけを反射する。

緑色の葉は、緑色の光だけを反射します。(光の中にあるそれ以外の色は葉に吸収されます。)

「色」と「目」

それでは、目はどのようにして「色」を感じているのでしょうか。
私たちの目の奥にある網膜には、光を感じる2種類の細胞があります。「かん体」という光の明るさを感じる細胞と、「すい体」という光の色を感じる細胞です。色のセンサーである「すい体」には、「光の三原色」(赤、青、緑)に対応して、3種類のすい体があります。このすい体細胞で感じたそれぞれの信号の強さを脳で処理することで、色として感じています。つまり私たちの目は、さまざまな色を、赤、青、緑の3色の組み合わせとして感じているのです。

逆にいえば、色の見え方はこの「すい体細胞」のしくみによって違ってきます。たとえば、鳥類は、人間が持つ3種類のすい体細胞の他に、紫外線を感じるもう1つのすい体細胞があります。そのため、人間よりも見える色の種類が多くなります。一方、人間や一部のサル以外の哺乳類は、すい体細胞が2種類しかなく、人間には見分けられてもイヌには見分けられない色があると考えられています。つまり、カラスと人間、イヌは、それぞれ違う色の世界を見ていることになります。

目の断面図

目の断面図。網膜上にすい体細胞がある。

カラス

カラスがえさを探す時は、嗅覚ではなく、優れた視覚を活かしている。

「色」と「こころ」

実は、色の見え方には、心理的な影響もあります。

物体にあたる光が違えば、反射する光も異なり、色の見え方も変わってきます。たとえば、太陽光と電球は光の種類が違うので、同じリンゴが屋外にある場合と、室内にある場合では本当は少し違った色に見えるはずです。しかし私たちには、どちらの場合のリンゴもほとんど同じ色に見えます。
これは、人間の視覚には、周りの環境に合わせて、脳で色の見え方を調整する働きがあるためです。

さらに、色の組み合わせによって違う色に見えてしまうこともあります。
図1では、中心にある正方形は同じ色ですが、背景がうすい場合の方が鮮やかに見えます。
また図2では、COLORという字は同じ色ですが、黄色と青色のどちらのラインにはさまれているかによって、色合いが違って見えます。これも脳で色を調整してしまっているためです。

色の見え方の比較

図Bの方が、中心の四角形の色が鮮やかに見える。この効果は、インテリアやファッションの配色にも応用されている。

配色による色の見え方の比較

どちらも「COLOR」という字は同じ色で書いてあるが、配色によって違って見える。
「ムンカー錯視」と呼ばれる目の錯覚。

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