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ステークホルダーエンゲージメント

基本的な考え方

キヤノンは、さまざまなステークホルダーに対して自らの考えを発信するとともに、ステークホルダーの声に積極的に耳を傾け、相互理解を深めていくための対話を継続的に実施することが重要であると考えています。こうした認識のもと、世界各地のグループ会社の担当部署が窓口となって、ステークホルダーとの緊密なコミュニケーションを図っています。ステークホルダーからいただいた意見をもとに課題を抽出し、地域ごとのニーズに適切に対処すると同時に、グローバル経営に関わる重要事項についてはグループ全体で共有し、課題の解決に努めています。

また、社外のステークホルダーからの問い合わせに対しては、キヤノンのCSR活動Webサイト内に窓口を設けています。ここに寄せられた意見・要望は、関連部門と共有し迅速に対応しています。また、企業評価機関や投資家、CSR専門家、各種NGO/NPOの皆さまとの意見交換を適宜行うことで、CSR活動の発展に取り組んでいます。

本レポートの制作を行う上でも、企画段階から第三者との直接対話を複数回実施し、開示内容についての協議を行っています。このほか、投資家や株主、CSR専門家などへのヒアリングも実施し、開示内容の評価や期待を確認するなど、ステークホルダーの期待に応える情報開示の実現に努めています。

以下、キヤノンが事業活動を行う上で重要度が高いと判断したステークホルダーと、2020年に実施した具体的な対話の事例について紹介します。

ステークホルダーとの対話の事例

新型コロナウイルス感染症と戦う知的財産宣言に発起人として参画

キヤノンは、京都大学の松田文彦教授らとともに、緊急事態宣言下において即座に各社へ積極的な働きかけを行い、20の企業・大学を発起人とする「COVID-19と戦う知財宣言」を発表しました。この宣言は、新型コロナウイルス感染症のまん延終結を唯一の目的とした開発、製造などの行為に対して、保有する知的財産権を行使しないことを宣言するものです。キヤノンは、多くの企業が参画することができるように、各社の事情にあわせてカスタマイズできる宣言書のひな型を準備しました。

この宣言は世界に先駆けた日本発の取り組みで、世界知的所有権機関(WIPO)日本事務局や経団連などの協賛や後援を得て、多くの企業・研究機関が参画を表明しています。(2020年12月時点:宣言者数101)

復興支援活動

キヤノンは、福島県において原発事故の影響を受けた方々のコミュニティづくりを支援する「福島コミュニティサポート」を2012年から継続しています。この活動は、社員が講師となり写真教室や撮影会、交流会などを行うことによって、写真を通して参加者同士がふれあえる場を提供しています。これまで、仮設住宅や復興公営住宅などで暮らす方、避難指示が解除され故郷に戻られた方などを対象に34回実施し、584人の方と現地で交流を行ってきました。

2020年は新型コロナウイルス感染防止のため、現地を訪れることを控え、キヤノン下丸子本社と福島県双葉郡富岡町とをオンラインでつなぎ、富岡町社会福祉協議会と協業で写真教室と交流会を実施しました。

オンライン写真教室の様子

教育・研究機関

関心のあるテーマ 主なコミュニケーション手段 2020年の主な取り組み
  • 光学技術
  • 先端技術
  • 共同研究
  • リサイクルに関する環境教育
  • 共同研究
  • 国際学会や技術部会での発表
  • 事業紹介
  • 出前授業や企業協力講座への講師派遣
  • 学生のキャリア形成支援を目的としたインターンシップ
  • 宇都宮大学オプティクス教育研究センターでの授業(24回)
  • 小学生を対象とした環境出前授業(8回)
  • 大学、研究機関などキヤノン財団助成先の訪問(12回)
  • 産学連携など研究推進部門とのミーティング(11回)
  • 各大学での企業紹介や業務説明会(約150回)
  • 国内大学病院との共同研究開発など、教育・研究機関との定期的なコミュニケーション
  • 特別支援学校からのインターンシップ受入(1校のべ2人)

従業員

関心のあるテーマ 主なコミュニケーション手段 2020年の主な取り組み
  • 労働環境の向上
  • 経営方針の理解
  • 福利厚生制度の整備
  • キャリア形成の支援
  • 評価/人事制度の整備
  • 労働安全制度の整備
  • 社内風土の向上
  • 労使協議会
  • 経営層からの情報発信
  • 人材育成プログラム
  • 人事相談窓口
  • 内部通報制度
  • 安全衛生委員会
  • 社内イベント
  • 中央労使協議会(7回)
  • 賃金・福利厚生・働き方改革など各種労使委員会(6回)
  • キャリアマッチング制度(189人)
  • コンプライアンスミーティング(2回)
  • 中央安全衛生委員会(2回)
  • 地区安全衛生委員会(事業所単位・月1回以上)

NGO・NPO

関心のあるテーマ 主なコミュニケーション手段 2020年の主な取り組み
  • 難民問題、貧困問題などグローバルな社会課題への対応
  • 被災地支援
  • 生態系の保護・保全
  • サプライチェーンリスク
  • ボランティア活動などの協働プロジェクト
  • 情報共有・意見交換
  • 生物多様性の保全をめざす団体とともに行う「未来につなぐふるさとプロジェクト」
  • 公益財団法人日本野鳥の会の協力のもと行う「キヤノンバードブランチプロジェクト」
  • 被災地における人道・災害支援活動
  • 世界各地域における生物多様性保全活動での連携
  • グリーンサプライチェーンの実現に向けた連携

外国政府・大使館

関心のあるテーマ 主なコミュニケーション手段 2020年の主な取り組み
  • 二国間およびグローバルな社会課題の把握と課題解決への支援
  • 各国との友好な関係の構築、維持、促進
  • 海外要人との面会や意見交換
  • 各種イベントへの参画
  • 各種問い合わせへの対応
  • 各種調査やアンケートへの協力
  • 外国政府・大使館などからの要請による会社訪問や面会、ヒアリング、会合への出席などによる交流
  • 二国間のさらなる友好関係醸成に向けた意見交換会やイベントへの参画
  • 各種調査やアンケートへの回答

地域社会

関心のあるテーマ 主なコミュニケーション手段 2020年の主な取り組み
  • 地域コミュニティへの参画、企業市民としての責任の遂行
  • 事業を通じた地域社会への貢献
  • 地域社会における生態系の保護・保全
  • 緊急災害支援
  • 防災・防犯訓練
  • 地域団体への参加
  • 地域イベントおよびボランティア活動
  • 環境教育・啓蒙活動
  • 地域清掃
  • 教育・スポーツ・文化プログラムなどの社会貢献活動
  • 植樹などを通じた生態系保護・保全活動
  • 清掃活動
  • 被災地への社員ボランティア派遣
  • 社員による被災地救済募金

株主・投資家

関心のあるテーマ 主なコミュニケーション手段 2020年の主な取り組み
  • 持続的成長に向けた中長期的な経営戦略
  • 事業ポートフォリオの転換の進捗状況
  • 事業活動の動向と成果
  • 財務状況
  • ESGへの取り組み
  • 株主総会
  • 経営方針説明会
  • 機関投資家向け説明会
  • 機関投資家個別ミーティング
  • 個人投資家向け説明会
  • 投資家向けWebサイト
  • 投資家向け冊子
  • 決算説明会(4回)
  • コーポレート・ガバナンスに関する報告書の開示
  • 決算説明資料の改定など情報開示の拡充
  • 株主総会関連書類の早期開示、記載充実
  • アニュアルレポート、サステナビリティレポートの発行
  • サステナビリティレポートへの財務情報の掲載
  • サステナビリティレポートの内容充実に向けた意見交換

サプライヤー

関心のあるテーマ 主なコミュニケーション手段 2020年の主な取り組み
  • 製品・技術の動向
  • 化学物質情報伝達スキームの効率化
  • サプライヤーオンライン調査
  • サプライヤーによる技術展示
  • グリーン調達の推進
  • 財務、企業情報、企業倫理、責任ある鉱物調達、環境保全に関する調査(1回)
  • サプライヤーによる製品・技術展(1回)
  • chemSHERPAによる製品含有化学物質情報の調査・管理

官公庁・自治体

関心のあるテーマ 主なコミュニケーション手段 2020年の主な取り組み
  • 社会課題解決への積極的な支援
  • 企業などとの連携強化
  • 地域活性化の促進
  • 官公庁との意見交換
  • 経済団体、業界団体への参画
  • 自治体との意見交換
  • 各種調査やアンケートへの協力
  • 官公庁との意見交換を通じた政策提言
  • 経済団体、業界団体の活動を通じた政策提言
  • 人材交流の推進と支援
  • 自治体との意見交換会、各種イベントへの参画と実施
  • 新規技術やソリューションの紹介と提供、観光PR映像の制作
  • 政府統計、業界・経済団体からの調査やアンケートへの協力(66件)

他企業

関心のあるテーマ 主なコミュニケーション手段 2020年の主な取り組み
  • 産業界の動向
  • 複数業種にまたがる社会課題の解決
  • 製品・技術の動向
  • 共同プロジェクト
  • 環境技術の供与のしくみへの参画
  • COVID-19と戦う知財宣言の発表・推進
  • 他企業との共同研究、開発業務受託
  • 環境保全技術のプラットフォームへの提供
  • 他企業へCOVID-19と戦う知財宣言の参画への呼びかけ、宣言書の準備