アオサギ
ペリカン目サギ科 全長約95cm
全国的に、水辺で一年中見られる。しかし、北海道などでは冬には見られず、南西諸島などでは冬にしか見られない地域もある。近年、なぜか増加傾向にあるようで、水辺を離れて飛んでいる姿を見ることもある。英名(Grey Heron)は灰色のサギを意味するが、和名は蒼いサギで、背の灰色はわずかに青色味がある。
※鳴き声が再生されます。
背が青味を帯びた、日本で最大のサギ
長い首を曲げて飛ぶ
遺伝子解析などの研究が進んだ結果、ハヤブサがタカ目と分かれてハヤブサ目に分類されるなど分類が変更されたことについては、カイツブリの説明でも述べました。サギ科やトキ科はそれまでコウノトリ目でしたが、ペリカン目になりました。進化は私たちが考えていた以上に複雑で、現在の見た目の特徴だけでは類推できないこともあることがわかってきたと言えましょう。
アオサギは日本のサギ科のなかでは最大の種で、コウノトリ(コウノトリ科)とまちがわれることがあります。長い首、長い足はコウノトリ科のほか、ツル科やトキ科にも共通した特徴ですが、これらの仲間のなかでサギ科だけは首を曲げて飛ぶという特徴があります(コサギ参照)。
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夫婦の契りの印
アオサギも他のサギの仲間と同じように、魚類や両生類などを主食にしていますが、捕えられればネズミや鳥などなんでも食べるようです。
南西諸島ではもともと冬鳥ですが、北海道や大陸のアオサギは秋に南下するので、本州以南、特に南日本では冬に増えるものと思われます。冬のアオサギはほぼ夜行性で、昼は緑地などで寝ている姿を見かけるし、夜に「ギャー」という声を聞くこともあります。
紀元前、古代シルクロードの要衝でもあったローラン(楼蘭)王国のミイラが、1980年に発見されて話題になりました。ミイラは女性で、アオサギの羽が添えられていました。ローランの時代には夫婦の契りの印として、新郎から新婦にアオサギの羽を送るならわしがあったそうです。
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