野鳥写真図鑑

カイツブリ

カイツブリ目カイツブリ科 全長約26cm

絞り:F8|シャッタースピード:1/400秒|ISO:400|露出補正:-0.3|焦点距離:500mm|一眼レフカメラ(APS-Cサイズ)|撮影地:愛知県

全国的に池や湖沼、流れの緩い河川で見られるが、北海道など越冬しない地域、あるいは冬しかいない南の島もある。よく潜り、鋭いくちばしで小魚など水生生物を捕らえる。小声で「ピロン、ピロン」とも鳴くが、繁殖期には「ケレケレケレ」と大声で鳴き交わすことが多い。

鳴き声1
鳴き声2

※鳴き声が再生されます。

カモよりフラミンゴに近い

カモの赤ちゃん?

カイツブリは淡水面の鳥では最小で、カルガモの近くにいると、よくカモの赤ちゃんに間違われています。が、カモ類とはくちばしも足の形状も違います。カモ類のくちばしは横に平たく、足指の間に水かきがありますが、カイツブリは水かきがなく、足指それぞれが平たくなっています。近年、外来魚によって在来の水生生物が減りカイツブリがいなくなった池が増えたようですが、外来魚を駆除することでカイツブリが戻った池もあります。
カモと共通しているのは早成性です。キジで解説したように、孵化したヒナはすぐに自力で巣を離れます(小鳥などは晩成性で、ヒナは丸裸で孵化し、巣内で育てられる)。ただし、しばしば親鳥の羽毛の中に入り込もうとする様子が見られることから、生まれてしばらくの間は体温調節がうまくできないとも考えられます。

カイツブリ 秋冬の装い。冬羽は春夏の夏羽と違い、ほおの赤味がなくなって、全体的に淡くなる。

進化の不思議/姿かたちは暮らし方次第?

近年、遺伝子などの研究によって分類が大きく変わり、ハヤブサはタカよりインコや小鳥に近縁であるとか、トキやサギがコウノトリよりペリカンに近いことなどがわかり、話題になりました。カイツブリ科は、長い足で有名なフラミンゴ科に近いとされるようになっています。
進化の話では、 収斂 しゅうれん 進化の代表例として、スズメ目のツバメ科とアマツバメ目のアマツバメ科がよく紹介されてきました。先祖は違うのに、飛んでいる虫を飛びながら食べるという共通した暮らし方のために似た形態になったのです。カイツブリとフラミンゴはそれとは真逆の事例と言えるでしょう。系統は近いのに暮らし方が違うので、フラミンゴとはまったく違う姿になったと考えられます。

カイツブリ 水面下の足をお尻から見たところ。3本の指それぞれが平たくなっている。
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