
シネマカメラの現場で
シネマカメラの世界を大きく変えることになるCINEMA EOS SYSTEM「EOS C300」の誕生にはプロローグがありました。
これまで映画撮影の現場では、じっくりと腰を据え一台のカメラに数人のスタッフが関わり、完成度の高い画面を作るというスタイルが基本でした。そのために、シネマカメラは重厚長大とも思えるシステムを作り上げてきたと言えます。しかし、常に新鮮な映像表現を求める制作者たちは従来のシネマカメラの能力を超える表現力を求めていました。
そうした中でキヤノンのデジタル一眼レフカメラEOS 5D MarkⅡが、彼らの目に止まったのです。

CINEMA EOS SYSTEMの誕生
35mmフルサイズCMOSセンサーとEFレンズの美しいボケ味、そしてコンパクトなボディを持ったEOS 5D MarkⅡが、ムービー撮影の現場で、ひとつのブームを起こしました。新しい映像表現を求めるカメラマンたちが、その表現力と機動力を活かしシネマカメラとして積極的に使い始めたのです。
この現実をいち早く捉え、60種類を越えるEFレンズの資産とキヤノンのデジタルテクノロジーを駆使して生まれたのがCINEMA EOS SYSTEM「EOS C300」です。
それは、製品のデザインに携わった井ノ上学、木村浩之、大橋宏顕、五十嵐理彰、繁田智行らのデザイナーたちの挑戦から生まれたものでした。

Designer Profile

総合デザインセンター
井ノ上 学 Manabu Inoue
91年入社。プリンター、ノートPC、ディスプレイのデザインに携わり、ビデオカメラのデザインを担当し現在に至る。最近はプロ用ビデオカメラのデザインを担当。目指すデザインは正直なデザイン。機能、ユーザー、デザイン、そしてもちろん自分に正直に、日々デザインに取り組んでいます。

総合デザインセンター
木村 浩之 Hiroyuki Kimura
長年に渡り一眼レフと業務用ビデオカメラ、近年では放送局用等の交換レンズのデザインに携わり、一眼レフカメラや各種アクセサリーのデザインも担当。周辺アクセサリーが大好きで、自分の直感を信じたひと工夫の提案を心がけています。目指すデザインは「所有することの喜びと、愛着を持って長く付き合えるデザイン」

総合デザインセンター
大橋 宏顕 Hiroaki Ohashi
複写機やレーザービームプリンターなどの事務機製品のデザインに長く携わったのち、家庭用ビデオカメラやワイヤレスマイクを担当。現在はシネマレンズや業務用ビデオカメラのデザイン業務を担う。製品の技術と使うお客さまとの間を優しく繋ぐ「大」きな架け「橋」になるデザインが目標です。

総合デザインセンター
五十嵐 理彰 Masaaki Igarashi
インクジェットプリンター、レーザービームプリンター、ファクシミリ、デジタルカメラ、ビデオカメラ、その他いろいろ…、幅広い事業分野の製品デザインを経験してきたところが強みです。現在はビデオカメラやシネマカメラ&レンズのデザインを担当。記憶に残る名機を生み出すべく、思いを込めてデザインしています。

総合デザインセンター
繁田 智行 Tomoyuki Shigeta
ネットワークカメラ、MRシステムなど、主に新しい分野におけるソフトウェアのGUIデザインを担当。「かゆいところに手が届く」気の利いたデザインを目指し、日々、精進しております。