安全性への取り組み
キヤノンの安全性に対する姿勢
より安全性に配慮した社内基準
キヤノンは、安全な製品をお客さまに提供することが、メーカーの基本的、かつ最も重要な使命であると考えています。それを実行するために、法令で定められている安全基準にお客さまの立場で設定した独自の安全基準(実質安全※)を加えて、すべてのキヤノン製品を徹底管理しています。
たとえば、「法令の要求よりも難燃性の高いプラスチック材を採用すること」や「安全上、重要度の高い部分は二重に保護をすること」などといった、より安全性に配慮した社内基準は、キヤノングループ全社に義務付けられ、生産プロセスの各段階で厳しく確認されています。また、技術の進歩やお客さまの製品の使い方の変化などに合わせて、常に基準の見直しを行っています。
- ※実質安全
法令で定められた安全基準はもとより、法令などで規制・要求されていなくても、お客さまの実際の使い方などを想定して安全性を確保する考え方。
安全性のための設備と施策
安全性を高いレベルの設備と試験で評価・確認
キヤノンは、製品の安全性を確実に保証するため、電波、騒音、防火・延焼性、VOC(Volatile Organic Compound : 揮発性有機化合物)、遺伝毒性といったさまざまな製品安全性に対して、公的規格や関連法規に対応した試験設備を設け、ISO※1や IEC※2、OECD※3や厚生労働省など、国内外の公的機関が行う評価や認定試験を社内で実施できる認定・認証を取得し、より厳しい評価・確認を行っています。
- ※1 ISO:International Organization for Standardization(国際標準化機構)の略。
- ※2 IEC:International Electrotechnical Commission(国際電気標準会議)の略。
- ※3 OECD:Organisation for Economic Co-operation and Development(経済協力開発機構)の略。
Pick Up
試験設備と安全性評価について
電波については、業界最大規模の大型電波暗室やシールドルームで、製品が放射する不要な電波が他の製品に影響を与えないか、雷・TV電波などの影響で製品が誤動作しないかなどの評価を行っています。
騒音は、壁と天面に吸音材を設置して、床以外から音の反射が無い半無響室で、製品の動作音など、ISO/IECに基づいた測定はもとより、非常に小さな音の測定も行っています。
防火・延焼性は、大型製品燃焼検証室で大型製品の確認を行うとともに、プラスチック燃焼試験室では、外装カバーなどに用いるプラスチック材料の防火性能や難燃性を確認しています。
放散化学物質の評価試験所では、複合機やプリンター、プロジェクターなどから放出され、人体への暴露限度が定められている化学物質 VOCを測定し、国内外で定められている基準と同等、もしくはより厳しい暴露限度を定めた社内基準に適合していることを確認しています。
インクやトナーの材料については、発がん性と密接な関係があるといわれる「遺伝毒性」に関する評価として、「微生物を用いる復帰突然変異試験」「培養細胞を用いる小核試験」などを実施しています。
また、この社内試験所は OECD や厚生労働省から優良試験所基準(GLP:Good Laboratory Practice)に準拠しているなどの認証を取得しています。なお、「培養細胞を用いる小核試験」における「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)」が定める GLP の適合認証取得は、日本初です。
- ※ISO、およびIECが行う評価が可能な設備:大型電波暗室、シールドルーム、半無響室
- ※EMC試験が可能な設備: 大型電波暗室、シールドルーム、半無響室
- ※ブルーエンジェルの取得申請に必要な試験が可能な設備:大型電波暗室、シールドルーム、半無響室、放散化学物質の評価試験所
電気部品の安全性確保
製品の安全性を確保するためには、半導体や電気部品など、製品を構成する部品一つひとつの安全性確保が不可欠です。
キヤノンは、これら電気部品について、独自の品質認定制度を構築し、運用を徹底しています。部品の選定段階で、部品の種類ごとに定めた品質基準に沿って、信頼性や構造の評価、および製造工程の審査を実施し、その品質基準をクリアした部品だけを採用しています。また、選定段階の構造評価や不具合調査では、X線CTや発熱解析など、高精度な非破壊解析技術を活用しているほか、微細加工・観察・測定などの技術強化にも努めています。
ご参考
その他の安全性への取り組みに関する情報として、社会サイトの「製品責任」ページに「製品安全に関する基本方針」に基づく自主行動計画、販売後のサポート、製品安全問題、品質問題発生時の対応などを掲載しています。
社会サイト 「製品責任」ページ
https://global.canon/ja/csr/people-and-society/product/index.html