パートナーシップ
知財業界をリードする、PAE対策のための活動
米国における特許訴訟件数は、2009年ごろから2013年にかけて急増し、2013年には過去最高の6,000件以上を記録しました。訴訟件数急増の主要因は、自らは事業を行わず、特許訴訟提起を脅しに利益を得る組織、「PAE(Patent Assertion Entity)」による訴訟が増えたことにあり、このPAE訴訟に多くの事業会社が苦しんできました。
PAEが訴訟に使用する特許の7割以上は、事業会社から流出したものであり、その特許を使用し、ほかの企業を攻撃しています。キヤノンは、PAE訴訟の脅威を抑制するため、Googleなど5社と連携し、2014年に「LOTネットワーク(License on Transfer Network)」を設立しました。LOTネットワーク会員企業の保有する特許がPAEの手にわたった場合、ほかの会員企業にその特許の使用権が無償で与えられ、PAEによる不当な特許訴訟から会員企業を守ります。一方で、会員企業は、自社の特許がPAEの手にわたらない限り、自社の保有する特許の権利行使や譲渡、ライセンスなどについて、何らの制約も負いません。これにより、特許が本来もつ意義と価値を損なうことなく、PAE訴訟のリスクを低減させることができます。したがって、会員企業は、製品・サービスの開発に集中することができるようになり、イノベーションの促進に貢献すると考えられます。
会員企業数は年々増加し、いまでは3,000社を突破しています(2023年5月時点)。キヤノンは、今後も各社と連携して健全な特許システムを形成し、イノベーションの促進に向けた活動を行っていきます。
そのほかの活動
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世界各国の特許庁との会合を通じて、世界の知的財産制度の運用の向上に貢献しています。
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キヤノン知財のメンバーは、日本の知的財産の行政の発展・世界の産業全体の振興への貢献を目的とし、政府の審議会などにおいてさまざまな提言を行っています。
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キヤノン知財のメンバーは、世界の知財エコシステムの発展のため、知財関連団体の幹部を積極的に務め、企業団体代表としての意見を政府や世界に向けて発信しています。
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新型コロナウイルス感染症のまん延終結を唯一の目的とした開発・製造などに対し、知的財産権を行使しないことで貢献する活動です。
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Googleなど5社と連携し、LOTネットワークを設立。パテント・トロールによる特許訴訟から会員企業を守ります。
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