キヤノン知財

知財活動の基本的な考え方

キヤノンは、独自技術により差別化した魅力的で質の高い製品・サービスの提供により、新市場や新規顧客を開拓する研究開発型企業として発展してきました。こうした背景から、キヤノンの知財活動は、事業の発展を支援することを重視しています。事業の発展を支援するため、知的財産部門では、これからの時代を先読みし、10年後、20年後の姿を描き、知財戦略を策定・実行しています。
このような知財活動の基本的な考え方を変わることなく受け継ぎながら、時代とともに戦術を変化させています。

数字でわかるキヤノン知財NEW

出願・取得

  • ほゆうとっきょけんすう 8まんけんちょう 2025年7月じてん
  • べいこくとっきょしゅとくランキング 41ねんれんぞく世界TOP10 20年れんぞくにほんきぎょう 1位 2024年
  • にほんとうろくとっきょランキング 1位 2024年
  • ねんかんとっきょしゅつがんけんすう 1まん件ちょう 2024年
  • しょうひょう「キヤノン(ロゴ)」をしゅとくしている国・ちいきすう 190ちょう 2025年7月じてん

知財活用

  • るいけいとっきょけんしんがいそしょう(げんこく) やく200件(るいけい) 2025年7月じてん
  • もほうひんのてきはつじっしくにすう 約60かこく 2025年7月じてん
  • みずぎわたいさくじっしくにすう 約90かこく 2025年7月じてん
  • ECモニタリングじっしサイトすう 約80サイト 2025年7月じてん

外部評価

  • ぜんこくはつめいひょうしょうるいけいじゅしょうけんすう 29件 2025年7月じてん
  • IAM IP Elite 12年れんぞくじゅしょう 2025年7月じてん

組織・人材

  • ちざいぶもんにキヤノン(株)のちゅうざいいんがいるグループ会社すう 12社(うち海外7社
									しゃ7かこく) 2025年7月じてん
  • がいぶ(かんこうちょう、グループ会社など)へのしゅっこうしゃすう 約40名 2025年7月じてん
  • ぎょうかいだんたい(JIPA、JEITA、JBMIAなど)へ参加しているほんぶいんすう 60めいちょう 2025年7月じてん

※いずれも、キヤノン株式会社知財部門の数値です。

知財活動の全社への浸透

キヤノンは、知財活動が全社へ浸透している点が特徴的です。キヤノンでは、歴代、知財部門から役員を輩出しており、社内全体で知財活動の意義が理解され、浸透しています。これにより、知財部門は、研究開発部門だけではなく、生産部門、販売部門といったあらゆる部門と密に連携を取り、知財活動を行うことが可能となっています。
このように社内全体が一丸となって知的財産の創出・権利化活動を行うことで、世界でトップクラスの知財力を実現しています。

全社知財教育

キヤノンでは、全社的な知財教育を積極的に推進しています。充実した研修制度に加え、日常的なOJTを通じて、社員が知財に関する知識と実践的なスキルを身につけられる環境を提供しています。このような知財教育は、社員ひとりひとりの知財意識を高め、革新的なアイデアの創出と保護、会社全体の知財力の強化につながっています。

知財管理体制

キヤノンでは、キヤノン(株)と各国のグループ会社(販売会社や研究開発会社)との間で、知的財産の取り扱いに関する役割と責任、活動方針の策定プロセスなどを取り決めたグローバルマネジメントルールを策定しています。
これにより、キヤノングループ全体の知財活動を統制し、必要に応じて訴訟やライセンス活動で連携をしています。また、キヤノングループの特許を有効活用するとともに、特許ポートフォリオを全体最適化し、グループの利益の最大化を図っています。

キヤノンマーケティングジャパン 知財部門
キヤノンUSA 知財部門キヤノンヨーロッパ 知財部門
キヤノン中国 知財部門の現地レポートをそれぞれご覧頂けます。

本部間トップミーティング

キヤノンでは、一般職から幹部までの各階層において、事業・研究開発部門と知財部門との間の日常的なコミュニケーションが行われていますが、その中でも特徴的なものとして、本部間トップミーティングがあります。本部間トップミーティングでは、会社の役員でもある両部門のトップをはじめとする幹部が集まり、事業成長に資する知財戦略の議論を行うとともに、事業・研究開発部門における具体的な知財活動を決定しています。このようにして本部間の連携を深め、迅速な意思決定を行うことにより、事業・研究開発部門と一体化したタイムリーな知財活動を実現しています。

社内における発明表彰制度

キヤノンでは、会社にとって重要な成長力を支える発明を称え、イノベーションにつながる発明を継続して生み出してほしいという期待を込めて、社内の発明表彰式を毎年開催しています。発明表彰制度は、『発明・考案・意匠および会社の工業所有権に関する活動に対して顕著な貢献をした者』を表彰する制度として、1986年に創設された歴史ある表彰制度です。知的財産法務本部本部長を委員長とし、事業本部長、本社・研究開発部門の本部長および委員長に指名された委員からなる「特許審査委員会」による公正な審議を経て賞が決定されます。受賞者には、社長および知的財産法務本部本部長から表彰状が手渡されます。
受賞を目指すことは、キヤノングループの開発者のモチベーションの一つにもなっています。

  • キヤノングループ発明表彰の様子
  • キヤノングループ発明表彰にて御手洗会長と受賞者の握手

キヤノンで生まれた発明の社外評価

キヤノンで生まれた発明は、社外からも高い評価を受けています。公益社団法人発明協会主催の「全国発明表彰」において、1958年に初めて賞を受賞して以来、数々の賞を獲得しています。同表彰は、多大な功績を挙げた発明、あるいは、その優秀性から今後大きな功績をあげることが期待される発明などを表彰するものです。

過去15年の「全国発明表彰」受賞歴

受賞年 発明名称 賞名 会社名
2024 次世代天文観測を実現する高性能回折格子の発明 朝日新聞社賞 キヤノン株式会社
2023 心臓血管内治療中における治療用器具の表示方法改善の発明 発明協会会長賞 キヤノンメディカルシステムズ株式会社
2022 低速微細血流を映像化する超音波映像装置用信号処理法の発明 経済産業大臣賞 キヤノンメディカルシステムズ株式会社
2021 大視野CT検出器用データ読み出し方法の発明 恩賜発明賞*1 キヤノンメディカルシステムズ株式会社
2019 位置合わせ速度と精度を両立させたディスプレイ用露光装置 日本経済団体連合会会長賞 キヤノン株式会社
2018 2つの基本波の差周波と第2高調波を利用する超音波診断装置の発明 文部科学大臣賞 キヤノンメディカルシステムズ株式会社
2018 撮像面位相差オートフォーカス方式を実現するイメージセンサ 内閣総理大臣賞 キヤノン株式会社
2017 脳脊髄液と血液の動態を観察するMRI装置の発明 発明賞 東芝メディカルシステムズ株式会社*2
2015 CMOSセンサのシェーディング低減技術の発明 日本経済団体連合会会長発明賞 キヤノン株式会社
2014 機動性に優れた小型軽量デジタルシネマカメラの意匠 内閣総理大臣発明賞 キヤノン株式会社
2013 クリーナのない中間転写型プリンタの発明 文部科学大臣発明賞 キヤノン株式会社
2012 デジタルカメラのGUIの画面意匠 発明賞 キヤノン株式会社
2010 積層型回折光学素子の発明 発明賞 キヤノン株式会社
  • *1 恩賜発明賞は、全国発明表彰の中で、最高位の賞
  • *2 現キヤノンメディカルシステムズ株式会社