仕事と人

キヤノン中国 知財部門

キヤノン中国は、キヤノングループの中国本土における販売統括会社で、本社を北京に置いています。キヤノン中国の知財部門もその本社部門の一角として、中国現地の知財専門スタッフとキヤノン(株)からの駐在員で構成された混成メンバーで日々業務に取り組んでいます。
キヤノン中国の知財部門は、2001年の発足以降、キヤノングループのアジア地域における知財活動の中核拠点として、主に、中国・東南アジアにおける模倣品対策、ブランド管理、商標出願・権利侵害トラブル対応など多岐にわたる渉外系の業務に携わりながら、その活動地域と範囲を拡大してきました。
2012年には特許チームを新設し、キヤノン(株)の知財部門と連携して、中国本土における特許出願のサポートをスタートしました。2019年には、CIB:キヤノン情報技術(北京)有限公司(現在はCIS:キヤノンイノベーションテクノロジー(北京)有限公司に名称変更)の特許チームを吸収し、その業務範囲と規模を拡大しています。

以下、キーワードにて2つの主要チームを紹介します。

渉外チーム

登録商標の件数 “102”
渉外チームは、チーム設立以降一貫して、社外に対しては権利保護の積極的な姿勢を堅持し、社内では、安定的かつ効率的な知財保護のための仕組みを構築することによって、中国本土におけるキヤノンの事業の保護に取り組んできました。102は、キヤノン中国が保有する現在有効な登録商標の件数です。2003年の最初の商標登録出願以来、何世代にもわたってキヤノン中国の知財を蓄積・保護し、ブランドの保護に貢献してきました。

摘発活動 “2,528”
2001年から2022年までの20年以上の間、渉外チームは、中国の各レベルの法執行機関と協力し、模倣品の製造・販売業者に対して2,528回もの摘発活動を実施してきました。この数字は、キヤノンブランドを保護するための何世代にもわたる努力を表しています。中国は長い間、極めて深刻な模倣品問題に直面しており、その流通環境も急速に変化しています。渉外チームは、世界の模倣品対策の最前線に立ち、模倣品の製造・販売の動向を的確に把握し、その生産から流通のプロセスを多面的に抑制し、キヤノンブランドとキヤノンユーザーを模倣品から守るために、現在も新しい手法/アプローチを試み続けています。
反模倣品啓蒙動画はこちら(キヤノン中国ウェブサイト)

キヤノンロゴ使用申請 “1,617”
渉外チームは、キヤノン中国のブランド管理委員会(BMC)事務局窓口として、2014年から2022年までに1,617件ものキヤノンロゴ使用申請に対応してきました。コロナ禍による中国地域における事業経営への大きなマイナス影響の中でも、キヤノンロゴの使用申請数は2020年から2022年まで3年連続で2桁の増加を記録しました。これは、キヤノン中国の事業マーケティング活動が拡大していることだけではなく、長年にわたる知財部門を中心とする啓蒙活動により、社内のブランド管理の重要性に対する意識が向上していることを示しています。さまざまなキヤノンロゴの使用申請に対して審理と管理を行うことによって、キヤノンのブランドイメージとその影響力のさらなる向上を図っています。

特許チーム

経験 “more than 10”
特許チームのメンバーは、特許業界内で平均10年以上の経験があり、中には20年以上の経験をもつメンバーもいます。いずれも業務経験豊富なプロフェッショナルです。メンバーは日々、キヤノンにとって有効な特許が取得できるよう、定期的にキヤノン製品と中国市場動向に関する情報を集め、メンバー間で共有しています。パテントエンジニアは、これらの技術知識を基礎とし、海外の特許出願も参照しながら、キヤノンの戦略および中国の特許実務に沿ったアドバイスと応答書類を提供することをめざしています。さらに、パテントエンジニアだけでなく翻訳者も定期的にキヤノンの技術と知財実務を勉強することで、キヤノンの特許明細書の中国語翻訳の質を担保しています。

特許チーム “2 to 1”
特許チームは2014年から、当時のCIBの特許チームと同じ市に位置するメリットを生かして、定期的な交流を行うことで双方の業務に対する理解を深めてきました。2018年に、相互の要員派遣を開始することによって相互理解・相互信頼を深めていき、2019年には円満に双方の特許チームを完全統合しました。現在では双方のメンバーは一つの特許チームとなり、キヤノン(株)の特許出願のサポートだけではなく、キヤノン中国の事業への貢献など、特許チーム全員で協力し幅広い業務を行っています。たとえば、新規事業を検討している部門に対して、特許研修や商品特性に応じた特許調査などのサービスを提供し、新規事業立ち上げのためのサポートを行っています。さらに、中国では製品入札時に特許情報の提出が求められることがあるため、キヤノン(株)の知財部門と連携し、必要な特許情報を事業部門にタイムリーに提供し、落札可能性を高めることにも貢献しています。

キヤノン中国 知財部門の発展の秘訣は何でしょう? 答えは、職場の打ち解けた雰囲気です。私達は相互理解・相互信頼の精神でお互いにサポートし合って、知財チーム全体の業務発展に努めています。
また、メンバーの魅力や個性を引き出すべく、仕事以外でもさまざまなチームビルディング活動を行っています。この「情熱的な」チームをご覧ください。私達それぞれの背番号の意味はわかりますか?

(2024年2月現在)