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8K映像ソリューション8K映像ソリューション

離れた場所でもライブの臨場感・没入感を体験できるミニシアター

8K映像空間ソリューション

離れた場所にいてもライブの気分を味わえるキヤノンの8K高精細、高画質映像技術。
スポーツ、イベントはもとより、学術領域においても間近に見る感覚を提供しています。

2019/05/10

まさにその場にいるような体験を8K映像で

より高精細に、よりゆがみなく、より見た目どおりに。映像に携わる開発者は、目で見て感じたそのままを、リアルな映像として見せようと努力を積み重ねてきました。
キヤノンは、5年ごとに開催している最新技術や今後の展開を紹介する展示会「Canon EXPO」の2015年展で、フルハイビジョンの16倍の情報量を持つ8K映像を放映。初めて目にした多くの人がその高精細で豊かな表現力に驚きました。キヤノンの8K映像ソリューションはさらに進化を遂げ、今では単に高精細の画面を「見る」のではなく、表示装置の前にいることを忘れるほどの臨場感や没入感、まさにその場にいるような感動を味わうことさえ可能になってきています。

妥協なき開発から生まれた8K用のレンズ、カメラ、ディスプレイ

キヤノンは、レンズ、カメラ、ディスプレイという、インプットからアウトプットまでの機器群を自社で開発できる世界でも数少ないメーカー。キヤノンの「技術優先のDNA」は、映像制作のプロを納得させる8Kの高画質技術の開発を加速させました。
8K用レンズは、4Kレンズの半分に収差を補正する必要があります。キヤノンの強みである光学技術を駆使して設計を全面的に見直した結果、極限までの収差補正を実現し、ズームの全域においてコントラストと解像力が高く、画面の中心から周辺に至るまでシャープな8K映像が得られるレンズをつくることができました。
8K用カメラは、扱うデータ量が増大するため、従来の映像エンジンで処理することはできませんでした。そのため、最先端のプログラマブルIC(IC内部にユーザーがプログラムを自由に書き込むことで、さまざまな動作が可能になるIC)を駆使して、膨大なデータを高速に処理するシステムを開発することで、低ノイズで広いダイナミックレンジを持つ高精細な映像の撮影を可能にしました。
8K用ディスプレイは、人間の目の解像限界を超える超高精細な映像表現処理と独自のバックライト制御により、黒の美しさを維持しつつ、明るい所までもしっかりと表現し、まるで本物を見ているような立体感や質感まで表示できるようになりました。

映像の在り方やつくり方が根底から変わる8K映像ソリューション

スポーツ中継で、選手の表情とフィールド全体を見渡す映像の両立はこれまで困難でした。
キヤノンは、2018年10月に横浜市で開催されたラグビーの国際試合において、2つのライブ配信実験を行いました。
1つ目の実験では、キヤノンの8Kカメラとレンズで撮影した映像を光回線や4K中継車などの現行機材を活用しながら、キヤノン本社(東京都大田区)に伝送。キヤノンの8KのHDRディスプレイや4Kプロジェクター4台で投写し、細部まではっきりとした迫力のある8K映像の再現に成功しました。
2つ目の実験では、8Kカメラに魚眼レンズを装着して超広角で撮影した映像に、リアルタイムでゆがみ補正などの画像処理を行い、競技場から映像を送出。キヤノン本社で受信後、複数台の4Kプロジェクターで大型の曲面スクリーンに、視野を覆うほどの迫力のある映像を投影して、スタジアムで観戦するような臨場感をつくり出し、臨場感ライブ映像ソリューションの実用化に向けた技術開発を加速させました。
8K映像ソリューションは、すでにスポーツ以外の分野においても真価を発揮し始めています。地球生物学の分野では、太古の海でできた岩石に含まれる化石の断面画像を、キヤノンが開発した8Kディスプレイで観察・分析することで、従来見落としていた微妙な色の違いや微小な痕跡が見つかるなど、未知の生命体の発見が期待されています。

今後も、キヤノンは8K映像技術の向上はもちろん、今まで人々が体験したことがない、まさにその場にいるかのような体験や学術領域での活用などさまざまな分野での8K映像ソリューション開発を続けていきます。

イメージイメージ

北海道大学における8Kディスプレイによる化石断面の観察

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