事業所の活動
キヤノンエコロジーインダストリー・エコの森
キヤノンエコロジーインダストリーがある坂東市は、茨城県の南西部に位置しています。利根川をはさんで千葉県野田市と接した、水と緑のあふれる自然豊かなところです。構内の緑地には森や池があり、野鳥をはじめとするさまざまな生物が訪れています。
エコの森
キヤノンエコロジーインダストリーは、日本国内にあるキヤノングループのリユース・リサイクル事業を集約した環境事業の拠点として2004年に設立されました。2018年には、資源循環を追求する最新鋭の工場とショールームで構成された「キヤノンエコテクノパーク」を施設内に開所。キヤノングループの環境活動の発信拠点として、工場見学や小学生などに向けた環境学習を実施しています。 坂東市は県内最大の自然環境保全地域に指定され、コハクチョウの飛来で有名な菅生沼などもあります。この自然豊かな土地で、野鳥を通じた生物多様性活動に取り組んでいます。
多様な生物が育つ緑地
事業所の周辺には農耕地と里山、屋敷林が多く残っています。事業所構内の広い緑地には、森や池があります。緑地の中にはノウサギやタヌキなどの足跡が確認されており、池ではオタマジャクシやヤゴなどを見ることができます。カモなどの水辺の鳥も頻繁に訪れています。
バードバスを訪れる野鳥たち
野鳥が水浴びするためのバードバスには、毎日多くの野鳥が遊びにきています。ショールームから双眼鏡で観察することができ、お客さまが楽しみながら野鳥に触れていただく機会となっています。メジロやシジュウカラ、ツグミなど、季節ごとにさまざまな野鳥が訪れ、羽の手入れをする姿などが見られます。
巣箱で野鳥の子育てを応援
毎年、野鳥の子育てシーズンに備えて、秋から冬の間に巣箱を多数設置しています。特に日本野鳥の会茨城県の指導の下、ヘビやネコなどが巣箱を襲わないための施策として敷地フェンスに巣箱を設置しています。この取り組みはエコロジー独自のものです。
子育て後に清掃のため巣箱を確認すると、シジュウカラやスズメが巣箱を利用して子育てをしていることがわかります。野鳥によって、巣材や巣の作り方が違うことに気づき、とても興味深いです。夏に行われる納涼祭では、野鳥が実際に子育てに利用した巣箱を展示し、近隣住民のみなさんにもご覧いただいています。 2020年に設置した巣箱の一部には、製品の運搬に使われる木製パレットの廃材を使用しました。今後も継続して敷地内に巣箱を設置し、野鳥の子育てを応援していきたいと思います。
野鳥を観察してみよう
社員の家族向けに、不定期で野鳥観察会を実施しています。双眼鏡で構内の野鳥を観察したり、茨城県内の野鳥に関するクイズを行うことで、身近な野鳥に楽しく触れ、生物多様性への理解につなげています。
構内での定期的な野鳥調査
2018年から四半期に1回、構内で野鳥調査を行っています。2019年からは日本野鳥の会茨城県とともに、野鳥の種類、出現数、場所、鳴き声などを記録しています。これまで、夏鳥のツバメ、サシバ、冬鳥のコガモ、アカハラ、シメのほか、絶滅危惧種に指定されたカシラダカなど、6目18科19種を確認しました。
野鳥を呼び込むための取り組み
日本野鳥の会茨城県の方と一緒に、構内の池にタモロコとモツゴ等を放流しました。繁殖して数が増えることで、カワセミが餌捕りに来てくれることを願っています。また、構内の雑木林は食物連鎖の上位者であるフクロウやオオタカが生息できる環境です。フクロウのいる森となることを目指して、大きな巣箱の設置などにも挑戦しています。 多くの野鳥たちにとって居心地の良い環境を継続できるように、「いきものたちにやさしい」環境づくりに取り組んでいます。
事業所で見られる鳥
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コガモ(冬鳥)
湖沼、河川などに渡来する。日本に渡来するカモ類では最も小さい。茶色の頭に緑の帯、尻の横に黄色い三角模様。
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キジバト(留鳥)
身近な野鳥のひとつ。背にある茶色いうろこ模様が目立ち、2羽(ペア)で見ることが多い。
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シジュウカラ(留鳥)
黒いネクタイがチャームポイント。春夏の雄はツピーまたはツツピーを繰り返して鳴く。
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カルガモ(留鳥)
下丸子事業所ではおなじみの野鳥。全国の水辺で一年中みられる野鳥である。春から草地に営巣して繁殖。ほかのカモの雌に似ているが、比較的大型。
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メジロ(留鳥)
黄緑色の体に映える白いアイリングが特徴。ツバキなどの花の蜜が大好き。構内で古い巣を確認。♪ホーホケキョで有名な「ウグイス」と混同されることも。
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ツグミ(冬鳥)
秋に林に飛来するが、冬には芝生、農耕地、河川敷などの開けた地上でも見る。茶色味が濃いものと薄いものがいる。
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ムクドリ(留鳥)
芝生の上をのこのこ歩き、数羽で餌をついばむ姿がよくみられる。くちばしと足のオレンジ色が鮮やか。キュルキュル、ジェー、ツィーなど賑やかな声。
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スズメ(留鳥)
身近な野鳥のひとつ。似た小鳥や若いスズメを見分けるには、頬の黒斑がポイント。
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ハクセキレイ(留鳥)
芝生や道路など広く開けた地面で良くみられる。白い頬と澄んだ声が特徴。歩いているときの長い尾を上下にふる様子がかわいらしい。
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カシラダカ(冬鳥)
林や草原に見られるが、開けた環境を好み、河原や農耕地に群れる。雄雌ともに短い冠羽が特徴。
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コチドリ(夏鳥)
スズメ大で黄色い足、目のまわりに黄色い輪。ピオとやさしい声で鳴く。
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ツバメ(夏鳥)
3月頃に東南アジアから来て、9月頃まで暮らす渡り鳥。構内で営巣している。古くから里山の自然のなかで生きてきた、人と自然との共存を象徴する鳥。
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セグロセキレイ(留鳥)
日本特産種。敷地内ではセグロセキレイの子を確認。