アオバト
ハト目ハト科 全長約33cm
九州以北のよく茂った広葉樹林で繁殖し、北日本では冬に暖地へ移動する。樹上で木の実を食べていて姿を見ることは少ないが、繁殖期には尺八の音のような声で「オーアオ、オ、アオー」とよく鳴く。海水や鉱水を飲む習性があり、常食にしている木の実にはあまり含まれないミネラル補給のためと考えられている。
※鳴き声が再生されます。
美しい緑色のハト
しょっぱいのがお好き?
アオバトの「あお」はブルーではなくグリーンです。ちょっと奇妙な声はよく耳にするものの、美しい緑色をした姿は普段、深い森の高い緑の中にいるのでなかなか見つけられません。飛んでいることはありますが、下から見上げても上面は見えないし、横から見えたとしても、近くで順光でなければ緑色はわからないでしょう。ただ、海岸で海水を、山地では温泉の鉱水を飲みに集まるので、そのような場所で待っていると美しい姿を堪能できます。海岸に集まる北海道小樽市では市の鳥、神奈川県大磯町では町の鳥になっています。
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飛んでいるアオバトを見分けるには
アオバトが海水を飲みに集まるのは春から夏が多く、本州中部以北のアオバトは秋から南下すると考えられています。秋には身近な公園にいたり、街の中でも羽が落ちていたり、上空を飛んでいることもあります。しかし、飛んでいて緑色が見えないアオバトは、カワラバト(ドバト)と思って見過ごされていることが多いでしょう。
群れて飛ぶことに加えて飛び方もカワラバトに似ています。キジバトはあまり群れにならず、ペアかファミリー(2~4羽ほど)で飛んでいますし、飛び方は翼を曲げてギクッ、ギクッと固い感じの羽ばたきに見えます。アオバトとカワラバトはあまり翼を曲げずにひらひらと羽ばたく点でも似ています。注目点は翼下面、カワラバトが白っぽいのに対して、アオバトは暗色をしています。
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