ゴイサギ
ペリカン目サギ科 全長約57.5cm
おもに本州から九州で繁殖し、冬も見られる(一部は南に渡って越冬する)。昼は水辺近くの茂みなどで休み、夜間に魚などを捕食することが多く、夜、移動中に鳴くので住宅地などでも声を聞くことがある。
※鳴き声が再生されます。
闇夜の狩人
もっとも減った鳥?
野鳥の生存率は低く移動もするので、その数や増減を把握するには総合的、長期的な調査が必要になります。2016年から2021年にかけて実施された全国鳥類繁殖分布調査の結果を過去の調査と比較した結果、ゴイサギやバンの記録数は半分以下になっていて、狩猟鳥獣の指定から解除されることになりました。
それでもなお、都市公園の池の近くを昼のねぐらとしているゴイサギは珍しくなく、夏や秋には夜間にしばしば声が聞かれます。ハシブトガラスとハシボソガラスの中間のような声で「クワッ」などと聞こえ、かねてより「夜烏」と呼ばれてきました。

赤い瞳?釣りをする?
野鳥の多くは巣立ち後しばらくすると成鳥と似た姿になり、1年で繁殖するようになりますが、大型の鳥の場合2~3年から数年を要するものもいます。カラスほどのサイズであるゴイサギの場合、幼鳥は成鳥と同じサイズと体型ですが色が異なり、薄茶色の地に淡色斑があります。3年ほど経て濃い緑色の頭や背、グレーの翼になります。目の色も黄色からオレンジ、赤へと変わります。成鳥は「赤い瞳」と言われますが、厳密にはどんな鳥でも瞳孔は黒く、赤い部分は虹彩(瞳孔のまわりの色がついている部分)です。
釣りをするサギとしてササゴイ(枯れ枝などを水面に落とし、そこに集まる魚を捕らえる)が有名ですが、ゴイサギでは、嘴の先端を水面に付けて振動させ、小魚を誘引していると思われる興味深い行動が観察されています。
