セグロセキレイ
スズメ目セキレイ科 全長約21cm
九州以北の水辺で1年中見られる(冬に南西諸島で見られることもあるので移動もしているらしい)。河川中流域の河原に多いが、湖畔や水田にいることもある。鳴き声はジジッとにごる。脚を交互に出して歩く、尾を上下に振る、飛び方は波型、非繁殖期は単独でいるなどの行動はセキレイ科に共通。
※鳴き声が再生されます。
日本が世界に誇れる鳥?
日本固有種とは?
世界で日本にしか生息地がない鳥は日本固有種と呼ばれ、ヤンバルクイナ、アマミヤマシギ、メグロ、ルリカケスなど島の鳥が多い中で、セグロセキレイはほぼ全国的に見られます。ただ、近年になって韓国で繁殖、台湾で越冬が観察されたそうで、これまで見つからなかったのか?新たな兆候なのか?今後も継続するのか?注目していく必要があります。英名は「Japanese Wagtail」とされていて、他にも日本近辺にしかいないために英名に「Japanese」がつくのはコゲラ、ツミ、クロツグミなど少なくありませんが、タンチョウは日本以外の国にもいることに配慮して、日本鳥学会では「Japanese Crane」から「Red-crowned Crane」に変更しました。
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よく似たハクセキレイとの違い
かつては河川の上流や細い川にキセキレイ、中流にセグロセキレイ、下流にハクセキレイという傾向がありましたが、ハクセキレイは水辺から離れた都市部でも見られるようになりました。ハクセキレイのオスの夏羽は背が黒いので、セグロセキレイと勘違いしている人が少なくないようです。セグロセキレイは雌雄ともに一年中背が黒く(雌雄を比べるとオスのほうが黒味が強い)、頬も黒いこと(ハクセキレイは幼鳥も含めて頬が白い)、声が濁ることも違います。繁殖はセグロセキレイのほうが早い傾向があり、河原では餌になる虫が早春から発生することと関係しているかもしれません。
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