野鳥写真図鑑

コチドリ

チドリ目チドリ科 全長約16cm

絞り:F5.6|シャッタースピード:1/1000秒|ISO:400|露出補正:0|焦点距離:700mm|一眼レフカメラ(フルサイズ)|撮影地:愛知県

ユーラシア大陸に分布し、冬はアフリカや南アジアに渡るものもいる。日本では夏鳥として九州以北に渡来することが多い(南日本では冬を越すものもいる)。おもに中~下流の河原で繁殖するが、海辺、埋立地、水田にいることもある。「ピォ」と優しい声で鳴き、繁殖期は「ピピピピ」と鳴きながら飛び回る。

鳴き声

※鳴き声が再生されます。

チドリはチドリ足で歩くか?

シギとチドリの歩き方

日本にはコチドリを含めてチドリ科は15種の記録がありますが、どれも足取りはしっかりしています。どうして、酔っ払いがふらふら歩くのを「千鳥足」と言うのでしょうか?
チドリと同じように水辺に多いシギの仲間は、チドリより長いくちばしをもっており、下を向いたまま歩きながら採食するので、その足跡は直線的になります。一方、チドリたちは立ちどまって先を見渡し、小動物を見つけると近づいて摘まんで食べ、ふたたび先を見渡すことを繰り返します。
その結果、足跡がジグザグになることが多く、これが「千鳥足」の由来になったと言われています。

秋冬のコチドリ 目の周りの黄色い輪(アイリング)と顔や胸の黒い模様は特徴的だが、繁殖が終わる夏以降は、アイリングや模様がぼやけた幼鳥や冬羽を見ることもある

擬傷とすみわけ

コチドリの習性でよく話題になるのは擬傷(ぎしょう)です。親鳥がけがをしたようなしぐさをし、近づいてきた人や犬の注意を自分に向けることで卵やヒナを守る行動とされ、インターネットで検索すると動画もたくさん見られます。近年、チドリ科以外でも地上で子育てするキジの仲間やヒバリなどで擬傷が知られるようになりました。日本野鳥の会を創設した中西悟堂がコチドリの擬傷を観察したのは、1916年のことでした。中西は「その時の感動が、多くの人に野鳥について知ってもらいたいと思う契機となった」と後に語っています。
河川の中流から上流にかけては、コチドリによく似たイカルチドリがくらしています。上流域や冬に見られたらイカルチドリの可能性が高いでしょう。似たもの同士でくらし方に違いがあるのは珍しいことではありません。むしろ、種ごとの違いによって競合が避けられ、共存や生物多様性が成り立っているといえるのではないでしょうか。

イカルチドリ 大きさ(全長21cm)や、くちばし(コチドリより長い)にわずかな違いはあるが、コチドリとの見分けは難しい。河川の中~上流域に多いこと、冬でも見られること(北海道では冬はまれ)など、すみかや季節の違いにも注目したい
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