野鳥写真図鑑

ルリビタキ

スズメ目ヒタキ科 全長約14cm

絞り:F5.6|シャッタースピード:1/60秒|ISO:1600|露出補正:-1|焦点距離:700mm|一眼レフカメラ(フルサイズ)|撮影地:愛知県

春夏に四国や本州中部以北の高山や北海道の針葉樹林で繁殖し、冬期は本州中部以南の低山、低地の林の下部で見られる。公園などの緑地にも飛来するが、低木の茂みを好むので、ジョウビタキのように姿を見ることは少ない。笛のような声でさえずるが、地鳴きはジョウビタキに似た「ヒッ、ヒッ」で、時に「ググッ」とも鳴く。

さえずり
地鳴き

※鳴き声が再生されます。

実は恥ずかしがりや!? 幸せの青い鳥

幸せの青い鳥はどこから?

オスが美しい瑠璃色に輝くオオルリは夏鳥で、秋冬は南の国まで渡って過ごします。冬でも見られる青い小鳥はルリビタキ。オスの背は日があたれば美しい空色に見えます。低山から山地の渓谷を好むオオルリと違い、ルリビタキは高山が繁殖地ですが、冬は低山、低地にやって来ます。ただし、公園や緑地などの身近な場所には地味なメスが多い上に、暗い茂みにいることが多く、姿を見るのは、簡単ではありません。

図鑑によっては漂鳥として国内移動しているとか、冬は高山から下りてくるような解説がされていますが、そうとは限りません。ルリビタキの繁殖地は中国からロシアまで広く、冬は中国南部以南まで渡るものもいます。冬を低地で過ごすルリビタキの中には、日本海を渡って南下してきたものがいても、不思議はないのです。

ルリビタキ(メス) 地味な姿だが、脇のオレンジは雌雄共通で、尾はオスの上面と同じように青い。

地味なオスの戦略!?

野鳥は生存率が低いため、毎年、子沢山の繁殖を繰り返すだけでなく、成長が早く、一冬越せれば繁殖できるようになるのが普通です。オスであれば生まれた翌年の春には派手な姿になり、踊ったり、さえずるなどしてメスに選ばれようとします。ところが、ルリビタキには翌年春まで生き残っても、青くならないオスがいます。そんなオスでも、さえずってメスに選ばれて繁殖するものがいるそうで、研究によって、美しいオスは他のオスからはライバルとして攻撃対象になりますが、地味なままのオスはあまり攻撃されないというメリットがあることがわかりました。近年、「地味」「小さい」など一見不利に見えるオスにも、それなりの繁殖戦略があるらしいという研究が、他の鳥や魚、昆虫にもいることがわかってきました。

水浴びしている若いオス 一見メスのように地味な姿をしているが、翼の一部に青い羽が見えるので、若いオス(一冬越しても、成鳥の姿にならない小鳥は珍しい)。近年、メス的な姿のままでも、繁殖するという不思議について研究された。
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