光を体験しよう 〜光のじっけん室〜

光でてじな

写真が飛び出す3Dメガネ

3Dメガネで見た3D写真に驚く男の子
むずかしさレベル 2

ならべた2枚の写真を、この3Dメガネで見てみると、平らなはずの写真の中にあるものが、
手前や奥に広がりをもって、立体的に見えてくるよ。ためしてみよう!

じっけんの目的
机の上にあるものなどを見ながら、右目と左目を交代でとじ、片目で見てみましょう。
それぞれの目で見たとき、見えるようすが左右でちょっとだけズレているのがわかりますか?このわずかなズレによって、私たちは物や風景を立体的に感じているのです。このことを、飛び出す3D写真と3Dメガネを使って実験してみましょう。

準備するもの

  • 歯みがきの空き箱やおかしの箱など(長さ20cmくらい、幅4〜5cm、高さ3〜4cmくらいのもの)
  • 輪ゴム4本
  • わりばし
  • はさみ
  • セロハンテープ
  • デジタルカメラ
  • モデルになるもの(おもちゃ、人形、くだもの、花びんなど自分で見てみたいもの)
実験で用意するもの

はさみを使う時には、ケガをしないように、十分に注意しましょう。

組み立てよう!

step1 写真を撮ろう
3D写真の撮影風景

カメラからの遠さをかえて、いろいろなものを、ならべてみましょう。ならべおわったら、まず正面からカメラを固定して、1枚左目用の写真を撮ります。次に、カメラの位置を右ま横に6~10cmほどずらして、右目用にもう1枚撮ります。

step2 写真をハガキサイズぐらいにプリントしましょう
3D写真の並べ方の例

撮影した2枚の写真をハガキサイズぐらいにプリントしましょう。写真はたて長でも、よこ長でもかまいません。

step3 3Dメガネを作ろう(1)
3Dメガネの作り方の例1

はみがきなどの箱を半分に切って、ふたの部分を2cm角に切り、穴をあけます。

step4 3Dメガネを作ろう(2)
3Dメガネの作り方の例2

ふたを切ったときにできた紙を使って、反対側の半分に切った方の口を2cmあけてつなぎ、セロハンテープで止めます。

step5 3Dメガネを作ろう(3)
3Dメガネの作り方の例3

写真のように、ふたを切りとった方に、輪ゴムを2本ずつバツマークにかける。

step6 3Dメガネが完成!
完成した3Dメガネ

バツマークにかけた輪ゴムの間に、割りばしを通せば、3Dメガネが完成します。写真を見る時には箱をうごかして、見やすい位置にメガネを合わせます。

観察してみよう!

step1 写真を壁に貼ろう!
3D写真を壁に貼る際の解説図

自分の目の高さと同じ高さに写真の中心がくるように壁にはります。また、左目用の写真と右目用の写真の間は3mmあけてはります。この時、印刷した紙がたるまないように注意してはりましょう。写真から少し離れて(1〜3m)右目は右目用の写真を、左目は左目用の写真だけが見えるようにメガネや自分の立つ位置を動かします。

サンプル1 ダウンロード(PDF:48KB)

サンプル2 ダウンロード(PDF:40KB)

サンプル3 ダウンロード(PDF:92KB)

step2 3Dの写真を見てみよう!
3Dメガネで3D写真を見る際の解説図

そのまま写真に対して前後にゆっくりと動きます。そして右と左の画像が一つになる場所を見つけます。すると立体に見えてきます。見えない場合には写真の大きさを変えて印刷したり、メガネを内側に向けて右目と左目でみる写真を逆にしてみるなど工夫してみましょう。ゆっくりと見ていけば必ず見える場所があります。

なぜ、3D(立体)に見えるの?
人間が物を立体的に感じる理由の解説図

私たちは、右目と左目で見た画像を自分の脳の中で立体に組み立てています。人間の右目と左目は、中心から少し離れています。
今回3Dで見たい物を6.5cm離してカメラで撮影したのは、両方の目それぞれで見えている景色を作るためです。
右目用と左目用の写真を、左右別々に見えるメガネで見てみると、2つの写真が脳内で組み合わされて、実際のものを見ているように、奥行きや飛び出した感じがでて3Dになるのです。

山村 紳一郎(やまむら しんいちろう)先生
さまざまな雑誌や書籍、イベントで自然科学の最先端情報から科学の楽しみ方・遊び方を、紹介・提案し続けるサイエンスライター。
和光大学非常勤講師。成蹊学園サステナビリティ教育研究センター客員フェロー。

もっとしろう!

ビルや大木など大きなものを3Dで見てみよう。
ビルや大木の手前や奥に他のものがあるところを選んで写真を撮ると、3Dメガネで見た時、立体的に見えてきます。
カメラのフレームの中に撮影するビルなどが収まるようにします。
カメラを三脚など固定できるものの上に置き、左右にずらしながら2回、撮影します。
ずらす距離は近くにあるものを撮影するときより、少し広め(10~15cm)にすると、立体感がアップします。

3D用遠景写真

遠くのものも3Dに見えるかな?ためしてみよう!

まとめてみよう!

3Dメガネで3D写真を見てわかったことを、順序よく実験ノートにまとめよう。

ほかのじっけんもやってみよう