- デジタルカメラ
- プリンタ(デジタルカメラの写真をプリントできるもの。コンピュータパソコンがあればなお良い)
- 厚紙(B6ぐらいの大きさがあればよい)
- 台紙(やや厚めの紙。使い古した葉書でよい)
- この他に、はさみ、定規、カッター、セロハンテープ、のりなどを使います。
カメラを作ってみよう
「立体写真」とか「3D写真」というものを見たことがあるでしょうか。
2枚の並んだ写真を左右の目で別々に見ると、奥行きのある映像が浮かび上がります。
これを特別なカメラなどを使わず、デジタルカメラとプリンタで、かんたんに作ってみましょう。
はさみを使う時には、ケガをしないように、十分に注意しましょう。
厚紙のまん中に、定規を使って6cm×6cmの正方形を描き、カッターで切りぬいて穴をあけておく(型枠)。
真直ぐに立って、右足に体重を移して一枚、次に左足に体重を移して一枚、写真を撮ります。
撮れた写真をプリントして……
できあがった写真をサービスサイズ(できれば7×10cmぐらい)の大きさでプリントする。このとき、撮影したときの左右を間違えないように、プリントの裏などに「右」「左」と書いておくと良い。
同じ対象が写っている場所を切りとります。
準備で作った厚紙の型枠をプリントにあてて、2枚のプリントで同じものが写っている場所に、えんぴつでなぞって四角形を描く。このとき、画面の傾きにも注意すること(2枚に写っているものの傾きが同じになるようにする)。
右足荷重で撮った写真を右に、左足荷重で撮った写真を左に並べて……
えんぴつの線でプリントを切りとり(6×6cmの四角いプリント2枚になる)、2枚を真横に並べて台紙に貼りつける。このとき、右で撮ったプリントは右に、左で撮ったものは左になる。間違えないように注意する。
立体写真は目の感覚のしくみを利用して、平面が立体に感じるようにしむけています。
長時間見つめていると、気持ちが悪くなる場合がありますので、あまり長い時間にわたって見続けるのはやめましょう。
実験のあと、遠くを見て目をリラックスさせるとなお良でしょう。
人間の2つの目は、左右に分かれてついています。つまり、何かを見たときに左右の目では、見ている場所が少しだけちがうのです。このため、右の目で見ている画像と左目の画像とでは、わずかな違いがあります。目の情報を受け取った脳では、このわずかな違いを比べることで、奥行き(立体感)を感じ取っているのです(※注)。
この立体写真では、右側で撮影した画像を右目で、左側からの画像を左目で見ます。実際に見ているのは目の前にある平面のプリントですが、左右の目にはそれぞれちがった画像が入っているわけです。これが脳に伝わったとき、脳は左右の画像の違いから、見ているものに奥行きがあると錯覚(さっかく)するため、私たちは立体感を得ることができるのです。
山村 紳一郎(やまむら しんいちろう)先生
さまざまな雑誌や書籍、イベントで自然科学の最先端情報から科学の楽しみ方・遊び方を、紹介・提案し続けるサイエンスライター。
和光大学非常勤講師。成蹊学園サステナビリティ教育研究センター客員フェロー。
撮影するとき、左右の幅をいろいろに変化させてみましょう。左右の幅が広いときと狭せまいときとでは、できあがった立体写真にどのような変化が出るでしょうか?
台紙に貼る左右のプリントを入れ替えてみると、どのような印象の立体写真になるでしょうか?
光でてじな
レンズとミラーを作ってみよう
カメラを作ってみよう
望遠鏡を作ってみよう
色で遊んでみよう
太陽光を利用しよう