光を体験しよう 〜光のじっけん室〜

望遠鏡を作ってみよう

化しょう鏡とルーペでニュートン式反射望遠鏡を作る

切った紙をテープなどで、化しょう鏡に付けます。
むずかしさレベル 3

おう面の化しょう鏡とルーペや虫眼鏡で、ニュートン式の反射望遠鏡を作りましょう。
月のクレーターが見えるかな。

準備するもの

  • おう面の化しょう鏡
  • ルーペ
  • 小さい鏡
  • ラップ芯(しん)
  • 角材
  • 材木片
  • 段ボール
  • 黒い厚手の紙(画用紙)
  • 接着ざい
  • 黒と料
  • 両面テープ
  • ねじくぎ
  • 定規
  • のこぎり
  • カッター
  • コンパスなど

ルーペは、写真用の10倍ぐらいが使いやすいが、倍率の高い虫眼鏡でもできます。

のこぎりやカッターを使う時には、ケガをしないように十分に注意しましょう。

設計図

【設計図】
本当のニュ-トン式

【ダウンロード 268KB】

設計図

【設計図】
今回作るもの(変形ニュートン式)

【ダウンロード 280KB】

組み立てよう!

step1 すすめ方
おう面鏡の化しょう鏡のサイズ(直径・厚さ)を測ります。

おう面鏡の化しょう鏡のサイズ(直径・厚さ)を測ります。

おう面の化しょう鏡(顔を映すと大きく見える)のサイズ(直径、厚さ)を測ります。このとき、化しょう鏡にスタンドなどがついている場合は、はずしておきます。

step2 すすめ方
黒ラシャ紙を化しょう鏡の直径に切り、まん中に穴を開けます。

黒ラシャ紙を化しょう鏡の直径に切り、まん中に穴を開けます。

黒い厚手の紙を化しょう鏡の直径に丸く切り(鏡が四角い場合は四角)、そのまん中に直径3~7cmほどの丸い穴を開けます。

カッターなど、とがったもので指をけがしないように注意しましょう。

step3 すすめ方
切った紙をテープなどで、化しょう鏡に付けます。

切った紙をテープなどで、化しょう鏡に付けます。

できたら、このドーナツ型の紙をテープなどで化しょう鏡に付けて止めておきます(鏡のまん中の直径3~7cmの部分だけを使います)。

step4 すすめ方
晴れた日に、化しょう鏡の焦点距離(しょうてんきょり)を測ります。

晴れた日に、化しょう鏡の焦点距離(しょうてんきょり)を測ります。

晴れた日に、図のようにして化しょう鏡の焦点距離(しょうてんきょり)を測ります。また、写真用ルーペではなく虫眼鏡やハンドルーペを使う場合には、その焦点距離(しょうてんきょり)も測っておきます。

step5 すすめ方
板や材木を使い、図のような形に組み上げます。内側を黒くぬっておくといいでしょう。

板や材木を使い、図のような形に組み上げます。内側を黒くぬっておくといいでしょう。

  1. step1で測った鏡のサイズと、焦点距離(しょうてんきょり)をもとに設計図を作ります。参考用設計図は、ダウンロードしてください。
  2. 板や材木を使って、設計図のような形に組み上げます。
step6 すすめ方
ラップ芯(しん)などでぬき差しできる筒(つつ)を作り、ルーペを取り付けます。木材で組み立てたものに組み込みます。

ラップ芯(しん)などでぬき差しできる筒(つつ)を作り、ルーペを取り付けます。木材で組み立てたものに組み込みます。

ラップ芯(しん)などを利用して、ぬき差しできる筒(つつ)を作り、ルーペを取り付けてsetp5の部品に組み込みます。

なお、すべての部品は、内側になる面を黒くぬっておくといいでしょう。

観察してみよう!

月などに向けて観察してみましょう。

この望遠鏡はもちろん、レンズや反射鏡で太陽を見ては「絶対に!」いけません。太陽からの光や熱はたいへん強いため、レンズや反射鏡で光が集められると(熱も集まります)、目が見えなくなってしまう危険があります。

この工作実験は、あくまで「反射望遠鏡のしくみを理解する」ためのものですので、望遠鏡としての十分な性能はありません(本物の反射望遠鏡のような観測はできません)。

反射望遠鏡の完成です。月などを観察してみましょう!

反射望遠鏡の完成です。月などを観察してみましょう!

もっとしろう!

1cmずつ穴の直径がちがうドーナツ紙を何種類か作っておき、取りかえて像のシャープさや明るさのちがいを比べてみるとおもしろいでしょう。
化しょう鏡のおう面鏡は、精度が高くありません。そこで、反射鏡にドーナツ型の黒い紙をかぶせ、比較的、精度の良い中心部分だけを利用しています。しかし、穴が大きいほどたくさんの光を集めることができますので、暗い天体には大きい方が有利になるのです。

なぜ

おう面鏡はとつレンズと同じように、光を集めて像をつくります。ニュートン式ではこの像のできる場所を平面鏡(斜鏡(しゃきょう)と呼びます)で直角に曲げ、筒(つつ)の外に出して接眼レンズ(ルーペ)で観察するしくみです。
なお、この望遠鏡では、利用できるおう面鏡の面積が小さいため、斜鏡(しゃきょう)がおう面鏡への光の通り道に重ならないようにしていますが、実際のニュートン式は斜鏡(しゃきょう)は望遠鏡のまん中にあります。一見、天体から来る光のじゃまをしていように感じますが、斜鏡(しゃきょう)が十分に小さく、また、ピントははるか遠くに合っているために問題にならないのです。

山村 紳一郎(やまむら しんいちろう)先生
さまざまな雑誌や書籍、イベントで自然科学の最先端情報から科学の楽しみ方・遊び方を、紹介・提案し続けるサイエンスライター。
和光大学非常勤講師。成蹊学園サステナビリティ教育研究センター客員フェロー。

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