光を体験しよう 〜光のじっけん室〜

太陽光を利用しよう

日時計を作ろう

むずかしさレベル 3

人類が一番最初に作った時計は日時計です。 日時計は、太陽の動きによって変わる影を利用した時計です。
今から5000〜6000年くらい前、エジプトで作られたのが最初の日時計と言われています。この日時計はオベリスクと言われ、午前と午後がわかったり、影の長さで季節を知ることができる簡単なものでした。
さあ、みなさんも比較的簡単なコマ型日時計を作って、太陽の動きと時刻の関係を調べてみましょう!

じっけんの目的
太陽の動きが時計になることを理解します。日時計で知ることができる時刻は、実際の時刻に対してどのくらい正確なものなのでしょうか?どんなことを工夫すればいいのでしょうか?コマ型日時計を作りためしてみましょう。

準備するもの

  • プリントアウトした時刻盤
  • 段ボールなどのかたい紙
  • 竹ひご
  • 定規、分度器
  • えんぴつ
  • 方位磁石
  • 洗濯バサミ
  • はさみ、カッター
  • ガムテープ、のり
  • 水平器
  • 時計

竹ひご、はさみ、カッターを使う時には、ケガをしないように十分に注意しましょう。

組み立てよう!

step1 時刻盤を切りぬこう

下記リンクより時刻盤PDFをダウンロードしてプリントアウトし、切り取り線にそってはさみで切ります。
この時刻盤はコンパスで半径7cmの円を描き、分度器と定規を使って、その円を15度ずつに分けることで作ることができます。

※はさみやカッターでけがをしないよう十分に注意しましょう。

時刻盤PDF ダウンロード(49KB)

step2 緯度(いど)と同じ角度の直角三角形を作ろう
  1. 日本地図で自分が住んでいるところの緯度が何度なのかを調べます。
  2. 下記リンクより型紙PDFをダウンロードして、調べた緯度に近い角度のPDFをプリントし、段ボールにはり付けます。そして、切りとり線にそってカッターで切りぬきます。
    ちなみに東京、横浜、名古屋は、35°90°55°の直角三角形です。

より正確な日時計を作りたい場合は、自分が住んでいる緯度が一辺の角度になる直角三角形を作りましょう。

型紙PDF ダウンロード(136KB)

step3 やまおり線に切り込みを入れよう

やまおり線にカッターで切り込みを入れます。

step4 三角形を組み立てよう

やまおり線に沿って段ボールを折ります。テープでつなげて三角形は完成です。

step5 台となる盤面を作ろう

縦25cm横20cmの四角形を段ボールで2枚つくり、それぞれの横20cm部分をガムテープではり合わせます。そして、先ほど作った時刻盤をのりではります。

2枚の段ボールをガムテープではり合わせる時、間を1cmくらい空けておくと後で折り曲げやすくなります。

step6 竹ひごを通そう

段ボールにはり付けた時刻盤の中心に穴を開け、竹ひごを通します。
正確に直角に合わせ、竹ひごを盤面の表と裏から洗濯バサミではさみ、テープで固定します。

※竹ひごの片側がとがっていますので注意してください。
※穴をあけたら時刻盤の側はとがっていない方にしましょう。

step7 盤面の角度を三角形に合わせよう

盤面をガムテープのところで折り曲げて、(4)で作った三角形を一番長い面を下にしてはり付けます。

step8 完成

これで完成です。時刻盤と竹ひごが90°になっているか再度確認しましょう。

※この日時計は春分の日から秋分の日までの期間の時刻がはかれます。

観察してみよう!

step1 コマ型日時計を設置しよう
  1. 日時計を置く台は水平でなくてはいけません。水平器を使って調べ、水平でない場合には台の下に紙をはさむなどして水平にします。
  2. 方位磁石を使って、目もりの書いてある面がまっすぐ北を向くように、位置を合わせます。
step2 時刻を記録しよう

1時間ごとに竹ひごの影が示す場所にしるしを付け、時計の時刻を書き入れていきます。影は1時間で何度動くでしょうか? 1時間ごとの影の角度は同じでしょうか?
また、翌日の同じ時刻に影の位置が同じであるかも調べてみましょう。

日時計のしくみ

太陽は1時間に15°ずつ動いているように見えます

コマ型日時計では竹ひごを北極星に向けます

太陽の動くコースは季節によって変わって見えます

太陽の動きと日時計

地球は1日に1回、自転しながら太陽のまわりを回っています。そのため、地球上にいる私たちには、太陽が朝、東からのぼり、夕方、西に沈むように見えます。そして夜、太陽は地球の裏側の位置にあり、また次の日の朝には東からのぼるように見えます。

太陽は、1日24時間で、地球のまわりを1周(360°)するように見えているのです。これを1時間あたりで計算すると、

360° ÷ 24(時間)= 15°

となります。太陽は1時間にみかけ上、15°ずつ動くことになり、影も同じように動きます。このように太陽のみかけ上の動きで変化する影を使った時計が日時計です。

コマ型日時計と緯度との関係

太陽の動きは季節によって変わります。そのため影をつくる竹ひごを、天の北極と呼ばれる北極星の方向に向ける必要があります。

1. なぜ北極星に向けるのでしょうか?

北半球の星は北極星を中心にして東から西に回っているように見えます。これは、北極星が地球の地軸(地球の北極点と南極点を結んだ線)の先にあり、地球から見るとほとんど動かないためです。太陽も他の星と同じように北極星を中心にして回っているように見えるため、竹ひごを北極星に向けるのです。

2. 竹ひごを緯度に合わせる

日時計を使う場所の緯度(例えば東京では35°)と同じ角度に竹ひごの角度を合わせると北極星に向けることができます。

3. コマ型日時計を作るときのポイント

コマ型日時計では時刻盤と竹ひごは90°、そして竹ひごは緯度に合わせる必要があります。
これを簡単に作るためには例えば東京の場合緯度が35°ですので、35°55°90°の直角三角形を作ります。
この直角三角形の55°の部分を文字盤と台紙の間に入れます。
すると竹ひごは35°になり緯度の方向を向きます。

春分から秋分まで、太陽は真東よりも北側から出て真西よりも北側に沈むため、時刻盤に落ちる影は北側(台紙の表側)にできます。反対に秋分から春分の日までは、太陽は真東よりも南側から出て真西よりも南側に沈むために、時刻盤に落ちる影は南側(台紙の裏側)にできます。

今回のコマ型日時計は、春分の日から秋分の日までの時刻を知る日時計で秋分から春分までの冬の間は、竹ひごの影が見えにくくなります。冬の時間もはかる場合には、時刻盤の裏側が見るような工夫が必要です。どんなしくみにすればよいか、考えてみましょう。

山村 紳一郎(やまむら しんいちろう)先生
さまざまな雑誌や書籍、イベントで自然科学の最先端情報から科学の楽しみ方・遊び方を、紹介・提案し続けるサイエンスライター。
和光大学非常勤講師。成蹊学園サステナビリティ教育研究センター客員フェロー。

もっとしろう!

15日後や1ヶ月後に影の長さがどのように変わるか調べてみましょう。

実際の時刻と時刻盤の目盛りが合ったコマ型日時計を作ろう!

日時計で示される時刻は、土地によって少し差があります(ふだんは日本全国で同じ時刻(日本標準時)を使っています)。
自分の住んでいるところで、日時計で正確な時刻を示す方法もあります。

  1. 時刻盤を画用紙などにはって丸く切りぬきます。
  2. それを先ほど作った盤面にのせ、のりなどではらずに竹ひごを通します。
  3. きりのいい時間(例えば9時)になったら時刻盤をまわして、影の位置と時刻盤の目盛りを合わせます。
  4. 合わせた時刻盤をセロハンテープで止めます。
  5. すると1時間ごとに時刻盤の目盛りをさす日時計になります。

まとめてみよう!

日時計で時刻を記録して、わかったことを順序よく実験ノートにまとめよう。

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