光のじっけん

色で遊んでみよう

「かんたんステンドグラス」をつくろう

むずかしさレベル 2

ステンドグラスを知っていますか?
色のついたガラスをつなぎ合わせた美しい光のアートです。
このステンドグラスによくにたカラフルな光のアートを、光の性質(せいしつ)を使ってじっけんしながら作ります。
工夫しだいでいろいろなもようができるので、じぶんオリジナルの作品を作ってみよう。

準備するもの

  • 偏光(へんこう)シート
  • 発ぽうスチロールボードまたは段ボール(あつさ2〜3mm)
  • とうめいなうすい板、とうめいなしたじきなど光をとおす平らでうすい材料、ペットボトル、プラコップなど
  • セロハンテープ(半とうめいテープ、メンディングテープ、ビニールテープなどではうまくできないことがあります)
  • 黒いペン(またはポスターカラーなど)
  • はさみ
  • 両面テープ
  • カッター
  • 定規(じょうぎ)

※ 偏光シートは、光を一方向にかたよらせるはたらきをもったシートです。偏光板(へんこうばん)というばあいもあります。教材ショップやホームセンター、通販サイトなどで売っています。
しくみとはたらきは〈もっとしろう!〉でくわしくせつめいします。

準備するもの

組み立てよう!

step1わくを作る
組み立てよう!1 2枚の正方形に

2枚の正方形に

1. 偏光シートを同じ大きさの正方形2枚に切ります。(1辺6~10cmぐらいが作りやすい。)

カッターやはさみの取りあつかいには、じゅうぶんにちゅういしましょう。

組み立てよう!2

長さとはばを下書き

2. 発ぽうスチロールボード(または段ボール)を切ります。
まず次の寸法で発ぽうスチロールボードに下書きをします(2枚分)。

長さ…切った偏光シートのはば+3~4cmの長さ(偏光シート10cmなら13~14cm)
はば…切った偏光シートのはば+1~2cmの長さ(偏光シート10cmなら11~12cm)

さらに1枚ごとに窓も下書きします。窓の大きさは、切った偏光シートより上下と左右を1cm小さく(偏光シート10cmなら9cm)します。窓は写真のように上にずらして書きます。
そのあと、はさみやカッターでボードを切っていきます。

組み立てよう!3

カッターなどで切っていく

※ ステップ3で使う、わくのはばと同じ長さで2~3cmの発ぽうスチロールボード3本もここで作っておくとべんりです。

発ぽうスチロールのわく完成!

発ぽうスチロールボードの材料のできあがり

3. 窓の部分も切りぬきます。

組み立てよう!4

4. それぞれのわくの片面を黒いペンなどで黒くぬりつぶします。

step2偏光シートをはる
偏光シートをはる1

1. 1枚目の偏光シートを、かたほうのわくの黒くぬったがわの窓の部分にセロハンテープではりつけます。

※ 偏光シートには表面をほごするシールが表とうらにはってある場合があるので、このときはシールをはがしてからはります。

偏光シートをはる2

2. 2枚目の偏光シートを1.の上にかさねてみます。窓がまっ暗になる向きにして、もういっぽうのわくの窓にはりつけます。

step3組み立てる
組み立てる1

1. 別の発泡スチロールボード(ステップ1で作ったわくのあまりの部分)を、はば2~3cm、わくのはばと同じ長さに3本切りとり、両面テープではりあわせます。

組み立てる2

2. 1.を、偏光シートをはったわくの「広い方の部分」に両面テープではりつけます。

組み立てる3

3. もういっぽうのわくを、その上にはりつけます。

組み立てる4

重ねると暗くなる

組み立てる5 完成!

完成!

※ わくを重ねると窓が暗くなる向きが正かいです!もし暗くならないときは、方向が間違っていますので、かたほうの偏光シートをはずして、(90度回転させて)はりなおします。

step4とうめいシートを作る
とうめいシートを作る2

ペットボトルやとうめいなうすい板を切ります

1. とうめいなうすい板(ペットボトルやプラコップなども)を切って、作ったわくの間にさしこめる大きさにします。

※ ペットボトルなどを切ってつくるときは、完全に平らでなくても、わくの間にさしこめる厚さならじっけんできます。

2. セロハンテープをてきとうな長さに切って、1にはりつけます。

とうめいシートを作る3

どんどんはります

とうめいシートを作る4

いろいろつくってみましょう

3. おなじように切ったセロハンテープを、間に空気が入らないように重ねてはります。最初に何本かはってみて、できあがりを見ながらはり重ねていきます。

※ セロハンテープをはるとき、少しずつ向きを変えると見えるもように変化が出ます。また、何枚か重ねたテープをはさみですきな形に切り、それをはりつけると自由なもようが作れます。

いろいろつくってみましょう
とうめいなうすい板を好きな形に切ってみるのもおもしろいよ。

観察してみよう!

ステンドグラスに見えたかな?

観察してみよう!

わくを明るい窓や白いかべなどに向けてかざして、間にセロハンテープをはったとうめいシートを入れて見てみます。
テープの重なりぐあいや向きによってさまざまな色が見え、とうめいシートをまわすと色が変化します。

工夫してみよう!

観察してみよう!3
  • セロテープ1本で、見られる向きと明るさや色のかんけいを調べてみよう!
観察してみよう!4
  • セロテープを重ねる枚数や重ねる向きを変えると、明るさや色はどう変わるかな?
観察してみよう!5
  • 重ねたセロテープを自由な形に切ってとうめいシートにはりつけると、好きな形のもようが作れるよ!

いろいろなものをみてみよう

  • プラスチックスプーンやCDケース、定規、ビニール袋など、色のもようをかんさつできるものが身のまわりにたくさんあるよ!
プラスチックスプーン

プラスチックスプーン

定規

定規

ビニール袋

ビニール袋

CDケース

CDケース

  • 厚いビニールなどを引っぱってから観察してみると、力がかかった部分だけ模様が見えるよ。
観察してみよう!6
観察してみよう!7

オリジナル作品もつくってみよう!

はりかさね方やかたちを工夫して、かざっておきたくなるような作品づくりにちょうせんしよう!

観察してみよう!8
観察してみよう!9
観察してみよう!10
観察してみよう!11

もっとしろう!

「かんたんステンドグラス」は、光の「偏光(へんこう)」という現象(げんしょう)を利用したじっけんです。

光は波のせいしつをもっていて、わたしたちにはその波の山と山のかんかく(波長といいます)の違いが「色」として見えているのです。

そして、光の波はふつう、さまざまな向きにゆれながら(=振動(しんどう)しながら)進んでいきます。偏光シートは、ある一方向のゆれの光だけをよく通す働きをもっています。偏光シートは、目に見えないほど狭いすき間がきそく正しくならんだ “すだれ”のようなしくみがあって、そのすき間と同じ方向にゆれる波をよく通し、ほかの向きにゆれる波をさえぎります。光のゆれの向きをひとつの方向にかたよらせるはたらきがあるのです。

このじっけんでは2枚目の偏光シートの向きを1枚目の向きと直角にするため、1枚目を通った光は2枚目を通りぬけられず、間に何もいれなければ窓はほとんどまっ暗になります。

※ ゆれの向きが一つにかたよる現象を「偏光」と呼びます。

偏光シートのはたらき

偏光シートのはたらき

さて、セロハンテープをはりこんだ透明のシートを2枚の偏光シートの間に入れると光が通るのはなぜでしょう?じつはセロハンテープは、拡大しても見ることができないほどの小さなつぶ(分子といいます)が同じ向きを向いてできています。このようなしくみをもっているものを光が通ると、光のゆれの向きがわずかに変わります。1枚目の偏光シートを通った光のゆれの向きは、テープを通るとねじれるように変化するため、2枚目の偏光シートを少しだけ通るようになります。ねじれる向きは、通り抜ける“もの”の種類や厚さなどによって変わるため、テープの厚さや向きによってちがう波長(=色)の光だけが通りぬけ、色がついて見えるのです。

偏光シートの間にセロハンテープを重ねておくと

偏光シートの間にセロハンテープを重ねてはった透明のシートをおくと

身のまわりにはビニールやプラスチック製品など、分子の同じ向きになっているものがたくさんあります。てきとうな大きさに切ってわくの間にいれてかんさつしてみましょう。

卵のパック

たまごのパック

まとめてみよう!

ほかのじっけんもやってみよう