光を体験しよう 〜光のじっけん室〜

カメラを作ってみよう

顕微鏡(けんびきょう)or望遠鏡(ぼうえんきょう)で写真を撮ろう

カメラのレンズ部の径と合わせましょう。
むずかしさレベル 2

望遠鏡(ぼうえんきょう)や顕微鏡(けんびきょう)での撮影には、専用のカメラや特別なアダプタが必要だと思われています。
研究用などの精密な写真ではその通りですが、それほど精密でないなら、デジタルカメラでかんたんに写真を撮ることができるのです。

準備するもの

  • 顕微鏡(けんびきょう)または望遠鏡(ぼうえんきょう)
  • デジタルカメラ
  • 紙筒(食品ラップなどの芯筒でよい。適当な太さのものがない場合、厚紙あつがみを丸めて作る)
  • 厚紙(工作用紙など)
  • 墨汁または黒マジックインキ
  • この他に、はさみ、定規、カッター、セロハンテープ、のり(木工ボンドが良い)などを使います。

はさみやカッターを使う時には、ケガをしないように十分に注意しましょう。

組み立てよう!

step1 準備
顕微鏡や望遠鏡の接眼部にあう紙筒をつくります。

顕微鏡や望遠鏡の接眼部にあう紙筒をつくります。

いろいろな紙筒を調べて、デジタルカメラのレンズ鏡筒(きょうとう)や、望遠鏡(ぼうえんきょう)や顕微鏡(けんびきょう)の接眼筒(せつがんとう)よりやや太いものを2~3種類集める。良さそうな紙筒の内側を、墨汁などで黒く塗っておく。良く乾いてから工作する。

step2 簡易アダプタを作る
カメラのレンズ部の径と合わせましょう。

カメラのレンズ部の径と合わせましょう。

  1. デジタルカメラのレンズ鏡筒(きょうとう)よりやや太い筒を、レンズが伸びきったときに飛び出さない長さに切る。
  2. 望遠鏡(ぼうえんきょう)や顕微鏡(けんびきょう)の接眼筒(せつがんきょう)よりやや太い筒を、5~7cmほどの長さに切る。
  3. 厚紙を図のようなドーナツ型に切りぬき、両面を黒マジックインキなどで黒く塗る。
  4. 1~3の部品を、テープやボンドなどを使って図のように組み立てる。

観察してみよう!

step1 撮影方法
  1. 作ったアダプタを、カメラにセロハンテープなどで固定する(コンパクトデジタルカメラの場合)。デジタル一眼レフの場合は、レンズの先端に固定する。
  2. 望遠鏡(ぼうえんきょう)や顕微鏡(けんびきょう)で、撮影したものを視野に入れて、良くピントを合わせる。顕微鏡(けんびきょう)では、照明をできるだけ明るくしておく。
  3. デジタルカメラのスイッチを入れ、オートフォーカスをオン、露出(ろしゅつ)もオートに、ストロボをオフに、ズームを望遠側にする(デジタル一眼レフの場合は、標準レンズかやや望遠が良い)。
  4. アダプタの先を望遠鏡(ぼうえんきょう)や顕微鏡(けんびきょう)の接眼筒(せつがんとう)にかぶせ、カメラのレンズがまっすぐ接眼レンズをのぞき込むように構えて、静かにシャッターボタンを押す。
  5. 撮影結果を見ながら、カメラの向きや露出補正(ろしゅつほせい)で調整しながら、何枚か撮影する。

カメラのレンズと望遠鏡(ぼうえんきょう)や顕微鏡(けんびきょう)の接眼(せつがん)レンズがぶつからないように注意しましょう。保護用のフィルターをつけておくと安心です。

望遠鏡(ぼうえんきょう)で太陽を見てはいけません(目が見えなくなってしまいます)。また、撮影も行ってはいけません。太陽には、ふつうの望遠鏡(ぼうえんきょう)は絶対に向けないようにしましょう。

もっとしろう!

なぜ

カメラは、人間の目のしくみによく似ています。ですから、目で見ることのできるものなら、ほとんど何でも撮影できるのです。ただし、望遠鏡(ぼうえんきょう)や顕微鏡(けんびきょう)で写真を撮る場合には、カメラのレンズの向きと接眼レンズの向きを一致させなければなりません。専用のアダプタなどを使うのは、主にこのためです。

手でカメラを構えての撮影が難しいのは、レンズの向きがなかなか一致しないためです。ここで作ったような簡単なアダプタを使えば、手で調整しながらレンズの向きを一致させやすくなります。また、周りからの余分な光がさえぎられるので、きれいな写真が撮れるのです。

慣れないうちは難しいかもしれませんが、何枚か撮影するうちにコツがつかめてくるでしょう。

山村 紳一郎(やまむら しんいちろう)先生
さまざまな雑誌や書籍、イベントで自然科学の最先端情報から科学の楽しみ方・遊び方を、紹介・提案し続けるサイエンスライター。
和光大学非常勤講師。成蹊学園サステナビリティ教育研究センター客員フェロー。

まとめてみよう!

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