光を体験しよう 〜光のじっけん室〜

光の分解じっけん

UVライトでいろいろ観察

身近になったUVライトを使って、不思議な光を出すもの(物質)を探してみましょう。
むずかしさレベル 1

私たちが目で見ることができる光のほかにも、身のまわりにはさまざまな光があります。
熱を運ぶ赤外線や、日焼けを起こす紫外線*も、目には見えませんが光の仲間です。
身近になったUVライトを使って、不思議な光を出すもの(物質)を探してみましょう。

*:さまざまな光や紫外線については、「光のなぞ」の以下のコンテンツでくわしく紹介しています。参考にしてください。

じっけんの目的
ものの中には、強いエネルギー(紫外線)を受けると光を出す物質があります。この性質や出る光を「蛍光」といい、蛍光を出すものを「蛍光物質」といいます。このじっけんでは、紫外線硬化じゅし(紫外線でかたくなるじゅし)の加工やネイルアートなどに使われるUVライトを使って、身のまわりにある蛍光を観察します。

注:UVとは英語のウルトラバイオレット(ultraviolet)の略で紫外線のこと。

準備するもの

  • UVライト(じゅしの加工やネイルアートにつかわれるものなど)
  • 黒画用紙(観察するときにうしろにしきます)
  • 観察するもの
  • 写真を撮るときはデジタルカメラやスマートフォンを使います。
準備するもの

紫外線を長時間見つめると目の健康に害があります。UVライトの光は暗く見えてもエネルギーがたいへん強いので、直接目に当てたりのぞき込んだりしないでください。もちろん、他人に向けてもいけません。

観察してみよう!

step1
観察するもの

身のまわりにあるさまざまなものに紫外線をあてて観察してみましょう。たとえば、次のようなものがおもしろく観察できるので、いくつかを集めておきましょう。

  • 蛍光ペン
  • スーパーボール(ネオンカラーのものがよい)
  • 蛍光増白剤入りの洗濯洗ざい
  • ビーズ など

観察するものを黒画用紙の上に置き、UVライトを準備してから、周囲を暗くします。

step2
観察するもの

UVライトを照らし、観察します

まわりが暗くなったら、UVライトを照らし、観察するものに紫外線をあてて観察します。

いろいろ観察しよう

物質が出す蛍光は、物質の種類によって、また受け止める紫外線の強さなどによって、波長=色がちがいます。どのような物質がどんな色に光るか、いろいろなものにUVライトの光を当てて調べてみましょう。

  • 蛍光ペンのインク…マーカーなどではより目立つように、蛍光によって鮮やかな色の光を出す蛍光物質が使われています。
  • 蛍光増白剤入り洗ざい…洗濯したときに布にしみこんで、紫外線が含まれる日光などで青白い蛍光を出します。白い布地が少し黄ばんでも、蛍光の青色が勝つので、洗濯物がより白く見えるというしくみです。入れ歯や歯磨き粉も同じしくみで歯を光らせています。
  • 配達済みの郵便物…機械で読み取って、配達の住所ごとに郵便物を分けるときに利用するバーコードなどが印刷されています。郵便物を汚さないように、普通の光では見えないインクが使われます。投函していないものには印刷されていません。
はがき
はがき

配達済みの郵便物

  • 食べ物…食べ物に含まれているビタミンB2やクロロフィル(葉緑素の色素)、カロテン(野菜の色素)、ビタミンC、ビタミンAなどが紫外線で光ります。完熟バナナや皮の内部、卵の白身、チーズ、ゴーヤなどに紫外線をあてると、これらが入っている部分が光ります。
バナナ
バナナ

完熟バナナ

たまごサンド
たまごサンド

卵サンド

スライスチーズ
スライスチーズ

チーズ

ゴーヤ
ゴーヤ

ゴーヤ

もっとしろう!

光は、波の性質を持っています。波といえば、池に石を投げたときに水面にできる波を思い浮かべる人も多いと思います。水面の波は山と谷のくり返しが周りに伝わっていきますが、光にも同じような性質があり、波として空間を伝わっていきます。
波の山から山までの長さを「波長」と呼びます。光も「波」なので、波長を持っています。そして、私たちに見える色のちがいは、実は光の波長のちがいなのです。人間の眼で見ることのできる波長の光を「可視光線」と呼び、紫(むらさき)から赤までの色が連なっています。

さまざまな波長の電磁波

さまざまな波長の電磁波

実は、赤い光の外側には眼に見えない長い波長の赤外線があり、さらに長い波長の波として、電波があります。反対に、紫(むらさき)より短い波長には眼に見えない紫外(しがい)線があり、さらに短い波長のX線、γ(ガンマ)線が存在します。

紫外線は可視光線よりも高いエネルギーを持っていて、いろいろなものに影響をあたえます。 そのひとつが、強い日ざしで起きる日焼けです。紫外線のエネルギーで皮膚の細胞が壊れ、皮膚が赤くなったり皮がむけることがあります。日光に当たっていると皮膚が黒くなるのは、日焼けを防ぐために、皮膚の細胞が黒い色素をつくるからです。

光と紫外線の特徴については、「光のなぞ」の以下のコンテンツでくわしく紹介しています。

また物質の中にはじっけんで見たように、紫外線のエネルギーを受けると別の波長の光を出すものがあります。これは紫外線を可視光線に変えるはたらきで、この性質や出る光のことを「蛍光」といいます。明るいところでは変化はよくわからないことがほとんどですが、周囲の光をさえぎり(暗くして)紫外線だけ当てると、物質が出す可視光線をくわしく観察することができます。

蛍光の観察

蛍光の観察

どのようなものが、どんな色に光るのか、身のまわりのさまざまなものを調べてみましょう。また、身のまわりにあるものなどには蛍光を利用しているものもあります。そのねらいも考えてみましょう。

じっけんに使った洗濯洗ざい(蛍光増白剤をふくむ洗ざい)は、水にとかして木工ボンドを加えるなどすると、手作りのUVインクになります。紙などに絵や文字を書いて、UVライトで光るオリジナルアートを作ることもできます。

まとめてみよう!

この実験では
1:目に見えない光のひとつに紫外線があること。
2:身のまわりには、紫外線があたると目に見える光を出す物質がたくさんあること。
3:ものの種類によって、紫外線で出る光の色が異なること。

などを調べることができます。それぞれについて考えながら、やったことや気づいたことをノートにまとめていくといいですね。

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