光を体験しよう 〜光のじっけん室〜

太陽光を利用しよう

ペットボトルで太陽熱温水器を作ろう

ペットボトル太陽熱温水器の温度をはかる子ども
むずかしさレベル 3

太陽の熱を利用して、水をどのくらいあたためることができるのでしょうか?ペットボトルで太陽熱温水器を作って、実験してみましょう。
お風呂よりもあたたかいお湯を作ることができるかな?さあ!挑戦です。

じっけんの目的
太陽のエネルギーは、光として地球にとどきます。私たちは、この太陽エネルギーを、発電や暖房など、暮らしのいろいろなところで利用しています。ところで、どうして太陽の光があたると物はあたたかくなるのでしょう?光と熱にはどんな関係があるのでしょうか?太陽光について調べてみましょう。

準備するもの

  • 2L用ペットボトル 4本
  • 黒紙、白紙
  • 段ボール箱(2L用ペットボトルが1本入るもの)
  • タオル 2枚
  • アルミホイル、食品用のラップ
  • 温度計
  • 洗濯バサミ
  • 軍手
  • セロハンテープ、はさみ
  • ノート、筆記用具
実験で用意するもの

はさみを使う時には、ケガをしないように十分に注意しましょう。

組み立てよう!

step1 ペットボトルに黒紙、白紙をはろう
ペットボトルに黒紙を巻く様子
  1. 2本のペットボトルは、黒紙を巻き付けてセロハンテープで止めます。
  2. 1本のペットボトルは白紙を巻き付けてセロハンテープで止めます。
  3. 残りの1本は、透明のものをそのまま使います。
step2 箱の中にタオルをしいて、アルミホイルをはろう
箱の中にタオルをしいて、アルミホイルをはる様子
  1. 箱の中の熱が逃げないようにするため、箱の内側にタオルをしきます。
  2. 次に太陽の光を反射させてペットボトルに太陽光が集まりやすくするためにアルミホイルをはります。
step3 ペットボトルに水を入れよう
ペットボトルに水を入れている様子
  1. 4本のペットボトルに同じくらいの量の水を入れます。
  2. 黒紙や白紙を巻いたペットボトルは、どこまで水が入ったかがわからないので、最初に透明なペットボトルに水を入れて、その水を移します。水を移す時には、「ろうと」があると便利です。

※水はいっぱいまで入れないで、少し余裕を持って入れましょう。
※屋外では帽子をかぶって実験を行いましょう。

step4 水の温度をはかるための準備をしよう
温度計を洗濯バサミではさむ様子
  1. キャップをはずして水の温度をはかる時、温度計が中に落ちないように洗濯バサミで温度計をはさみ固定しておきましょう。
  2. 実験を始める前に水の温度をはかっておきます。水の温度をはかったら、必ずキャップをしめます。

だいたい15℃〜18℃の位置に洗濯バサミをはさむとちょうどよい高さになります。

step5 箱の中に水を入れた黒ペットボトルを入れよう
箱の中に黒のペットボトルを入れる様子

黒紙を巻いたペットボトル1本を箱の中に入れます。その際、キャップはしっかりしめておきましょう。

step6 箱にラップをはろう
箱にラップをはる様子

箱のフタになるように、きれいにラップをはります。ラップが箱にくっつきにくい時には左右2ヶ所くらいをセロハンテープで止めます。

箱のまわりにガムテープをはると、ラップがくっつきやすくなります。

観察してみよう!

step1 3本のペットボトルを設置しよう
3本のペットボトルを設置する様子

黒紙を巻いたペットボトル1本と白紙を巻いたペットボトル、透明なままのペットボトルを日当りのよい場所に寝かせておきます。

step2 箱に入れたペットボトルを設置しよう
箱に入れたペットボトルを設置している様子

ペットボトルが入った箱を、同じように日当りのよい場所におきます。太陽の光をまっすぐに受けるように箱の角度をいらなくなった新聞紙や雑誌を使って調整します。

箱の影がペットボトルに当たらないくらいに箱を起こします。

step3 3本のペットボトルの温度を記録しよう
ペットボトルの温度を記録する様子

15分に1回、キャップをはずして水の温度をはかり記録していきます。温度だけでなく、天気もいっしょに記録すると、天気と温度の関係が分かります。 昼間の日ざしが一番強い12〜15時くらいの3時間くらいの間、記録を続けてみましょう。

※キャップを外す時にペットボトルを倒さないよう注意しましょう。
※ペットボトルが熱くなってきますので軍手をはめて持ちましょう。

step4 最後に箱の中のペットボトルの温度をはかろう
箱の中のペットボトルの温度をはかる様子

最後に箱に入れたペットボトルの温度をはかります。どのくらい温度が違うか比べてみましょう。

※ペットボトルが熱くなっていますので、やけどをしないように軍手をはめて持ちましょう。

もっとしろう!

実験の結果をまとめよう!

黒紙を巻いたペットボトル、白紙を巻いたペットボトル、透明なペットボトル、それぞれ温度がどう変化したか、結果をグラフにまとめてみましょう。
箱に入れたペットボトルの温度はどうだったでしょうか?
その理由も考えてみましょう。

温度変化のグラフの例

温度の変化をグラフにまとめよう!

太陽の光で、なぜ水があたたかくなるの?
太陽光に含まれる光線の分布図

太陽光に含まれる光線の分布図

私たちは、太陽の光にあたるとあたたかく感じます。これは、太陽の光が、私たちの体を直接あたためているからです。これを熱放射(ねつほうしゃ)といいます。これは、太陽光にふくまれている赤外線などによって起こります。
電気コタツや電熱器などもこの赤外線を出してまわりをあたためています。太陽光にもたくさんふくまれています。赤外線は、見ることができませんが、目に見える光(可視光)と同じように白い色やアルミホイル、鏡に反射します。
反対に、黒い色にはよく吸収されます。そのため、黒紙を巻いたペットボトルは、赤外線をよく吸収して、水の温度が高くなったのです。

箱の中にタオルをしいてアルミホイルをはり、ラップでふさいだ黒のペットボトルの温度が一番上がりました。その理由としては、下記のような点があげられます。

  1. 黒のため赤外線がよく吸収された。
  2. アルミホイルによって太陽光が反射し、それも黒が吸収した。
  3. タオルとラップによって箱の中の温度が外の温度にあまり影響されずに保温されていた。

山村 紳一郎(やまむら しんいちろう)先生
さまざまな雑誌や書籍、イベントで自然科学の最先端情報から科学の楽しみ方・遊び方を、紹介・提案し続けるサイエンスライター。
和光大学非常勤講師。成蹊学園サステナビリティ教育研究センター客員フェロー。

ペットボトルにアルミホイルを巻いたらどうなるでしょうか?
また、黒や白以外の色をペットボトルに巻いて、太陽光のあたる場所においたらどうなるのでしょうか?
ためしてみましょう。

もっとためしてみよう!もっと調べてみよう!

ペットボトルにアルミホイルを巻いたらどうなるでしょうか?
また、黒や白以外の色をペットボトルに巻いて、太陽光のあたる場所においたらどうなるのでしょうか?
ためしてみましょう。

アルミホイルや色のついた紙を巻いたペットボトルを設置している様子

アルミホイルや黒以外の色だとどうなるだろう?

まとめてみよう!

水の温度を記録してわかったことを順序よく実験ノートにまとめよう。

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