光を体験しよう 〜光のじっけん室〜

カメラを作ってみよう

手鏡を使って正立ミラーボックスを組み立てよう

いろんな組み合わせにチャレンジだぁ! さあてどんな像が見えるんだろ~?
むずかしさレベル 3

手鏡を使って、ペンタプリズムのようなはたらきをするミラーボックスを作って実験します。

準備するもの

  • 長方形の手鏡(あるいはプラスチック製ミラー)
  • 工作用紙(または厚紙)
  • 接着ざい
  • セロハンテープ
  • 虫めがね
  • トレーシングペーパー
    (半とう明の紙、半とう明のビニールでもよい)など

ここでは、100円ショップなどで手に入りやすい7×5cmの鏡を、例として使うことにします。7×5cm以内なら、形がちがっても実験できます。
なお、プラスチック製ミラーの場合は、のこぎりで切って大きさを調節することができます(このときは、保護者の方に手伝っていただきましょう)。

虫めがねは、学校などでよく使うプラスチック枠(わく)のものを想定しています(焦点距離(しょうてんきょり)約70mm)。
型紙をこのままのサイズで使う場合は、焦点距離(しょうてんきょり)が50mm以上であれば、別のかたちの虫めがねや天眼鏡、レンズなどで実験できます(焦点距離(しょうてんきょり)50mm以下のものは使えません)。

ミラーボックス型紙

【ダウンロード 152KB】

組み立てよう!

step1 すすめ方
レンズで像を作ると上下左右が逆さまになる。

レンズで像を作ると上下左右が逆さまになる。

ミラーボックスを作ろう

ミラーボックスを作ろう。

  1. 型紙をダウンロードしてプリントアウトします。設計図は鏡の大きさが7×5cmのものですが、これより大きな鏡の場合は、型紙を拡大コピーするなどして試してみてください(ただし、鏡が大きくなると重くなるため、ふつうの工作用紙では弱すぎます。工作用紙をはり合わせたり、段ボールを使うなど工夫してください)。
  2. これを工作用紙(または厚紙)にていねいにはり付け、外側を切り取ります。また、窓の部分をカッターで切り取ります。
  3. 箱の形に組み立て(印刷面が内側になります)、鏡の反射が窓の方を向くように注意して、手鏡を入れます。窓の片方にトレーシングペーパーをはり、箱のふたを閉めて接着すれば、ミラーボックス1個目の完成です。

カッターなどを使うとき、手を切らないように注意しましょう。

step2 すすめ方
1つのミラーボックスをのぞくと左右が逆さまの像が見える

1つのミラーボックスをのぞくと左右が逆さまの像が見える

【図う】のように、窓の開いている方を明るい風景や蛍光灯(けいこうとう)などに向け、トレーシングペーパーのある窓を上に向けます。虫めがねを空いている窓の前にかざして前後させると、トレーシングペーパーに景色などがうつるはずです。このとき、像のむきがどうなっているか、観察しましょう。箱のまわりを暗くするとよく見えるよ。

step3 すすめ方
ミラーボックスを4つ組み合わせて ようやく正しい像が見えるんだ!

ミラーボックスを4つ組み合わせて ようやく正しい像が見えるんだ!

  1. 次に、同じミラーボックスを3個作ります(合計4個になる)。ただし、後から作るミラーボックスには、トレーシングペーパーは、はり付けません(2つの窓は開いたままにしておく)。
  2. 最初のミラーボックスを基準にして、4つのボックスを【図え】のような向きで組み合わせます。ボックス同士はセロハンテープなどで軽くとめておきます(後で分解します)。

観察してみよう!

「組み立てよう!step2」と同じように、虫めがねを最初のボックスの窓にかざし、風景や蛍光灯(けいこうとう)などに向けてみましょう。手前の窓からのぞくと、遠くの方にトレーシングペーパーがあり、風景などがうつっているはずです。うつっている像の向きを調べてみましょう。

もっとしろう!

ミラーボックスの組み合わせ方を変えると、像はどの方向から、どのように見えるでしょうか。いろいろな組み合わせ方を試してみましょう。なお、組み合わせるときは必ず、窓と窓とが向き合うようにする必要があります。

もっとたくさんミラーボックスを作り、数を変えて実験してもおもしろいでしょう。

いろんな組み合わせにチャレンジだぁ! さあてどんな像が見えるんだろ~?

いろんな組み合わせにチャレンジだぁ!さあてどんな像が見えるんだろ~?

なぜ

1枚の鏡にうつる像は、左右あるいは上下のどちらかが逆になります。(反射する回数が奇数(きすう)回だと裏像になります)。一眼レフカメラでは、そのしくみの都合から、ピントスクリーンにうつる像は裏像になります。

「組み立てよう!step2」では「左右だけが逆の像」が観察されますが、このときの光の進み方は一眼レフカメラのピントスクリーンまでと同じです。この「左右だけが逆の像」を正しい向きの像に直して目に届けるのが、ペンタプリズムという部品の役割です。

ペンタプリズムではひとつの反射面を2枚合わせ鏡のようなしくみにして、反射の回数が合計4回になるようにしています。
ここで作った4個組のミラーボックスは、鏡を4枚使うことで光を4回反射させ、ペンタプリズムと同じように上下左右が正しい向きの像が見られるようになっています。

山村 紳一郎(やまむら しんいちろう)先生
さまざまな雑誌や書籍、イベントで自然科学の最先端情報から科学の楽しみ方・遊び方を、紹介・提案し続けるサイエンスライター。
和光大学非常勤講師。成蹊学園サステナビリティ教育研究センター客員フェロー。

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