まだフィルムが発達する前(とうぜん、デジタルカメラなどもない時代です)、カメラ(当時はまだ、カメラ・オブスキュラ…レンズのついた小さな部屋という意味…と呼んでいた)とはレンズを取り付けた箱でした。レンズの反対側にすりガラスをおいて、そこに写った風景などをなぞることで、せいみつな写生画の下がきをつくるために使われたのです。私たちも、試してみましょう。
適当な箱を用いる場合は、箱の深さだけ、「焦点距離(しょうてんきょり)ー(マイナス)5mm」になるよう、箱を切ったり厚紙を追加して調節します。 厚紙(工作用紙)などで箱をつくる場合には、図を参考にしてください。なお、それぞれのサイズは以下のようになります。
虫眼鏡のレンズはとつレンズですから、像をつくるはたらきがあります。そして、明るい場所の風景の像なら、トレーシングペーパーの上に結ばせることで、像をはっきり見ることができます。これをなぞれば、実物の縮小図がかけるわけです。なお、できた像は上下左右がさかさまですが、絵にしてからひっくり返せば問題ありません。
焦点距離(しょうてんきょり)を測ります。
図
トレーシングペーパーをはり付けます。
箱の底に虫眼鏡を取り付ける穴をあけます。
余分な光の反射を防ぐために黒く塗ります。
虫眼鏡を取り付けます。
ふたを出し入れしてピントを合わせ、外の風景をなぞり写生します。