- 虫眼鏡
(倍率の低いもの。あるいは度の強い老眼鏡のレンズ) - 定規
- 厚手の紙(工作用紙、ボール紙など)
(あるいは適当なサイズの箱) - 黒いと料
- トレーシングペーパー
- 水性サインペン(筆ペンが使いやすい)
またはやわらかいえん筆 - セロハンテープ
- はさみなど
カメラを作ってみよう
まだフィルムが発達する前(とうぜん、デジタルカメラなどもない時代です)、
カメラ(当時はまだ、カメラ・オブスキュラ…レンズのついた小さな部屋という意味…と呼んでいた)とはレンズを取り付けた箱でした。
レンズの反対側にすりガラスをおいて、そこに写った風景などをなぞることで、せいみつな写生画の下がきをつくるために使われたのです。
私たちも、試してみましょう。
はさみを使う時には、ケガをしないように十分に注意しましょう。
焦点距離(しょうてんきょり)を測ります。
まず、外に出て太陽などの光を、レンズで集めて焦点距離(しょうてんきょり)を測ります。
このとき、レンズを通して太陽を見てはいけません!
図
余分な光の反射を防ぐために黒く塗ります。
この焦点距離(しょうてんきょり)をもとに、箱をつくります。適当な大きさの箱があれば、それを利用することもできます。内側は、余分な光の反射を防ぐために黒くぬっておきます。
トレーシングペーパーをはり付けます。
箱の底の窓にあう、枠(わく)を厚手の紙(工作用紙、ボール紙など)でつくります。これにトレーシングペーパーをはりつけておきます。これをスクリーンとします。
何枚かつくっておくと便利です。
虫眼鏡を取り付けます。
ふたを出し入れしてピントを合わせ、トレーシングペーパーに写った外の風景(上下左右が逆さまですが)を、水性ペンかやわらかいえん筆でなぞります。トレーシングペーパーをはずせば完成。画用紙などに転写してから、色をぬっても良いでしょう。
適当な箱を用いる場合は、箱の深さだけ、「焦点距離(しょうてんきょり)ー(マイナス)5mm」になるよう、箱を切ったり厚紙を追加して調節します。 厚紙(工作用紙)などで箱をつくる場合には、図を参考にしてください。なお、それぞれのサイズは以下のようになります。
よこ(A)=適当でよい(焦点距離(しょうてんきょり)×1.5ぐらいがつくりやすい)
たて(B)=適当でよい(焦点距離(しょうてんきょり)と同じぐらいがつくりやすい)
深さ(C)=焦点距離(しょうてんきょり)ー5mm
窓よこ=よこ(A)ー3cmぐらい(片側の枠(わく)の幅(はば)が1.5cm)
窓たて=たて(B)ー3cmぐらい(片側の枠(わく)の幅(はば)が1.5cm)
よこ(a)=よこ(A)+(紙の厚さ×2)+1mm
たて(b)=たて(B)+(紙の厚さ×2)+1mm
深さ(c)=深さ(C)より少し短く(「ふかさ(C)×0.8ぐらい」が作りやすい)
よこ(A)=よこ(A)
たて(B)=たて(B)
窓よこ=よこ(A)ー3cmぐらい(片側の枠(わく)の幅(はば)が1.5cm)
窓たて=たて(B)ー3cmぐらい(片側の枠(わく)の幅(はば)が1.5cm)
ふたを出し入れしてピントを合わせ、外の風景をなぞり写生します。
レンズを通して太陽を見てはいけません。また、この写生マシンのレンズが、直接、太陽の光にさらされないように注意しましょう(箱やトレーシングペーパーに太陽の熱が集まり、これらが燃えることがあります)。
虫眼鏡のレンズはとつレンズですから、像をつくるはたらきがあります。そして、明るい場所の風景の像なら、トレーシングペーパーの上に結ばせることで、像をはっきり見ることができます。これをなぞれば、実物の縮小図がかけるわけです。なお、できた像は上下左右がさかさまですが、絵にしてからひっくり返せば問題ありません。
山村 紳一郎(やまむら しんいちろう)先生
さまざまな雑誌や書籍、イベントで自然科学の最先端情報から科学の楽しみ方・遊び方を、紹介・提案し続けるサイエンスライター。
和光大学非常勤講師。成蹊学園サステナビリティ教育研究センター客員フェロー。
光でてじな
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